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ボーイングCEO、誤ったAOAデータでMCAS作動と事故原因認める
事故中間報告書公表で、737MAX7は改修ソフトで飛行試験
ボーイングのデニス・ミュレンバーグ最高経営責任者(CEO)は4月4日(米ワシントン州シアトル現地時間)、エチオピア航空の737MAXが今年3月に墜落した事故に関する初期的な事故報告書を公表したことを受けて、事故原因として「 (中間報告書によれば)MCASが誤った迎角(AOA)情報に応答して作動したことは明らか」であることを認めた。なお、それに先立って4月3日には、開発中の737MAX7にアップデートしたMCASソフトウェアを搭載して飛行試験を実施した。この飛行試験には、ミュレンバーグCEOが自ら乗り込んで、試験に立ち会った。ちなみに、この737MAX7の飛行試験でボーイングは、ソフトウェアアップデートに関する様々なシナリオをテスト。改修を施したソフトウェアは、設計通りに機能したとのことで、飛行試験に投入した737MAX7は、無事にボーイング・フィールドに着陸することに成功した。
ミュレーンバーグCEOは4日に発表した声明で、あらためて事故の犠牲となった人々に哀悼の意を表明。その上で、これまでに発生した2件の737MAX墜落事故について、「エチオピア航空302便の事故調査の中間報告書が発表されたことで、いずれの事故についてもMCASが誤った迎角(AOA)に基づいて誤作動したことは明らか」であるとの見解を示した。ボーイングとしては引き続き事故調査に協力しつつ、その内容を精査していく様相だ。
さらにミュレンバーグCEOは昨年10月に発生したラインオンエアの墜落事故以降、米連邦航空局(FAA)と協力して、MCASのソフトウェア・アップデートに取り組んできたとし、「ライオンエア610便およびエチオピア航空302便のような事故は、二度と起きない」ことを誓った。
ボーイングは開発したソフトウェアのアップデートを正常に行うべく、時間をかけて確実なアプローチで取り組みを進めているとしており、「(ソフトウェアのアップデートは)完成に近い。今後、数週間以内に、737MAXフリートにおける認証および実装することができるだろうと予想している」(ミュレンバーグCEO)ことを明かした。
さらにミュレンバーグCEOは、世界各地の航空当局が737MAXの飛行禁止措置を講じたことで、多くのエアラインおよび旅客に多大な影響を与えていることを悔いつつ、ソフトウェアをアップデートすれば、「意図しないMCASの挙動可能性を排除して、MCAS関連の事故は二度と発生しないようにする」と話した。
※写真=737MAX7に改修したMCASソフトウェアを搭載して飛行試験。飛行試験にはデニス・ミュレンバーグCEOも搭乗した(提供:ボーイング)
※写真=2件の事故原因についてMCASが誤ったAOAデータに基づいて作動したことを認めたミュレンバーグCEO。安全性の信頼が揺いだ737MAXの信頼回復に取り組む(提供:ボーイング)