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2021.10.04

【潮流】Go Toで利益分配と経済好循環を

 第100代の内閣総理大臣に指名される岸田文雄自由民主党総裁は、総裁就任の会見で、新型コロナウイルス感染対策に向けて、年内に数十兆円規模の経済対策を策定するとともに、大企業だけでなく、全国の中小・零細企業にも「成長の果実を分配する」と明言した。
 これは、9年間に及ぶ「安倍・菅政権」のアベノミクスによる経済政策は評価するものの、その成長は大手企業や新興企業に集中し、中小・零細企業はその恩恵(果実)にあずかれず、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が、大企業と中小・零細企業、高所得者層と中・低所得者層、大都市と地方の格差拡大に拍車を掛けたことを示唆している。
 岸田氏自身が安倍政権の当事者であることから、政権関係者に遠慮してか、名指しはしていないが、「新しい資本主義」や「成長の果実の分配が一部の人間にとどまり、経済の好循環が実現できていない」などの発言は、「安倍・菅政権」の負の側面として指摘したように思えた。