ispace EUROPE、米社と32億円の契約

　NASA質量分析計「MSOLO」を月へ輸送

　ispace（アイスペース）の欧州法人ispace EUROPEは10月6日、米月面資源開発企業Magna Petra（マグナ・ペトラ）と、NASAが開発した月面質量分析計「MSOLO」を月へ輸送するペイロードサービス契約を締結したと発表した。契約総額は約32億円。両社はマグナ・ペトラの資源探査「HALO」ミッションの一環として、月面レゴリス中に存在するとされるヘリウム3を含む揮発性物質のデータ取得を狙う。
　2027年にアイスペース米国法人が主体で行われる、月面輸送計画「ミッション3」で実施予定。ispace EUROPEが開発する小型月面探査車にMSOLOを搭載し、着陸船はispace-U.S.が開発を進めるAPEX1.0を用いる計画。
　MSOLOはNASAケネディ宇宙センター開発の小型質量分析計で、月面レゴリス中のヘリウム3など希少同位体を含む揮発性物質の計測が目的。マグナ・ペトラは同センターとのCRADA（共同研究開発契約）のもと、AIで同位体分布のデジタルツインを構築し、将来的なヘリウム3のサンプルリターンを含むサプライチェーン確立を目指す。