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2025.10.06

WING

ヘグセス長官の“行き過ぎたDEI”発言に波紋

 中谷大臣、自衛隊との共通点「精強性維持すべき」

 

 中谷元防衛大臣は10月3日の閣議後会見で、米国のピート・ヘグセス国防長官が9月30日に行った米軍幹部への演説に関して言及した。ヘグセス長官は演説で、近年米軍内で進んだDEI(多様性・公平性・包摂性)政策を“行き過ぎた”と批判しており、これに中谷大臣は、長官が「陸軍将校としてイラク派遣を経験した現場主義者であり、部隊と隊員に対する愛情と期待は非常に強い」と述べた。発言の背景にある“戦える米軍”を取り戻したい意図を読み取った。その上で、「私自身も自衛隊が精強で士気が高い組織であるべきと強調している」と語り、ヘグセス長官の主張と自身の姿勢に共通点があることを説明した。
 中谷大臣は、DEIをめぐる議論には言及せずに「防衛省としては、トランプ政権と緊密に意思疎通しつつ、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化していく」とし、現政権との政策連携を明確に示した。中谷大臣は、長官の演説が「管下の人員に対して行ったもの」であるとして、対外的に示された強さ重視の論調を否定せずに、米軍内部の言説と捉える姿勢を示した。さらに日米同盟の抑止力・対処力強化を図るとして、自衛隊運営の理念と重ね合わせる姿勢も示しており、トランプ政権との緊密な意思疎通を継続したいとの意向を見せた。日米防衛協力と戦略的一体性を維持しようという認識を明確にした。

 

※写真=中谷大臣は、自衛隊も精強であるべきだとして、ヘグセス長官の発言と共通する点を示した(提供:防衛省)

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