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先島諸島南方海域で戦術訓練実施

機雷戦を含む戦術行動、抑止力強化を狙う
統合幕僚監部は10月4日、先島諸島南方海域において海上自衛隊による戦術訓練を実施したと発表した。訓練は10月3日に行われ、護衛艦「さわぎり」と掃海母艦「うらが」が参加。機雷戦訓練を含む各種戦術行動を通じ、部隊の任務遂行能力の維持・向上を図った。防衛省・自衛隊では「力による一方的な現状変更を許さない日本の強い意思を示すとともに、地域における抑止力の強化を目的とする」と強調した。
先島諸島周辺は、台湾有事を含む緊張の最前線に位置づけられており、中国海軍艦艇や公船の活動が常態化する中で、自衛隊が同地域で機動的な行動訓練を行う意義は極めて大きい。特に、掃海母艦「うらが」による機雷戦訓練の実施は、南西諸島における海上交通路防護と揚陸阻止の両面を意識したものとみられる。
政府は「南西シフト」を進め、陸・海・空自衛隊による統合作戦能力の強化を図っている。今回の訓練は、平時からの継続的な警戒監視と、有事を想定した戦術的対応力の両立を狙う取り組みの一環といえる。
※写真=護衛艦「さわぎり」と掃海母艦「うらが」による訓練の様子(提供:統合幕僚監部)