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名大、食品廃棄由来メタン残渣発酵でバイオエタノール

SAF原料化にも期待、高効率で燃料生成
名古屋大学未来社会創造機構の谷村あゆみ特任講師、則永行庸教授らの研究グループが、食品廃棄物を用いたメタン発酵残渣を滅菌せずにそのまま利用し、廃飲料を混合して酵母の力で効率的にバイオエタノールを生産できることを実証することに成功した。
メタン発酵は、食品残渣などの有機性廃棄物からメタンガスを生成する再資源化技術として広く普及している技術だ。ところがこのメタン発酵プロセスは、副産物として「メタン発酵残渣」と呼ばれる廃液を発生させてしまい、残渣の排出量は投入した原料とほぼ同量。例えば1トンの食品残さを処理すれば、約1トンの残さが生じるという課題があった。
この残渣には窒素やリンなどの栄養が豊富に含まれていることから、肥料として利用しているものの、その排出量は非常に多く、肥料用途だけでは消化しきれていないことが実状で、残渣余剰分の処理が必要となっている。
※画像=メタン発酵の概略図(提供:名古屋大学)