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2025.09.17

WING

「ちょうかい」トマホーク発射試験を来夏までに実施

 中谷大臣、存立危機事態はケースバイケース

 中谷元防衛大臣は9月16日の閣議後会見で、スタンド・オフ防衛能力の整備に向けたトマホークの配備について、イージス艦「ちょうかい」に対する所要の改修を実施して今年度中に発射能力を取得することを改めて説明した。併せて、同艦による発射試験を来年夏までに行うとし、試験場所については米国側と調整中だとした。今年度予算には関連経費18億円を計上しており、次年度の当初要求にも必要経費を織り込んでいる。
 中谷大臣はトマホークを米国から取得することについて「日本に侵攻を企図する相手に対し、艦艇や上陸部隊などによる侵攻を遠方で阻止・排除するスタンド・オフ防衛能力を早期に構築するためだ」と説明。トマホークを保有することで「日本への武力攻撃そのものの可能性を低下させる」ことになると、抑止効果を強調した。また「取得後は速やかな運用が可能となるよう乗員の練度向上等を確認するために発射試験などを行う」と述べた。
 中谷大臣は、トマホークを実戦的に運用する際の法的枠組みについて問われ、存立危機事態の法理に基づく運用が想定されることを改めて示した。存立危機事態とは「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃により日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」を指す。かつ「他に適当な手段がない」ことや、「必要最小限度の実力行使にとどまる」ことが要件となる。そのため、反撃能力の行使は可能だが「具体的には発生した状況に即して三要件を満たすかを個別具体的に判断する」と述べ、運用はケースバイケースになるとの認識を示した。