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水嶋国交事務次官、成田第二の開港で痛みに寄り添う

急務のB延伸・C新設、用地取得で丁寧に説明
国土交通省の水嶋智事務次官は9月12日に専門紙記者会のインタビューに応じ、成田空港のB滑走路延伸とC滑走路新設を柱とする「第二の開港プロジェクト」について、2028年度末の供用開始を目指す上で最大の課題である用地取得に全力を挙げる方針を示した。その上で「公共事業のメリットを享受する国民全体と、土地を手放すことで痛みを背負う地権者の思いをつなぐのが国の役割だ」と述べ、地権者との信頼関係構築に重点を置く姿勢を鮮明にした。
成田の機能強化のプロジェクトで鍵を握るのは用地取得だ。7月末時点で取得率は85.3%に達したが、一部の地権者から理解が得られていないなどの課題が浮上し、その対応が急務となっている。水嶋次官は、2002年の平行滑走路(現B滑走路)整備に携わった経緯があり、成田空港の機能強化に深い知見を持つ。そのため、残る地権者との対話を今後の焦点とした上で「空港整備は地域に負担を求めるものであり、丁寧に説明を行いながら進めていく」と述べて、地元と歩調を合わせながら事業を進める姿勢を改めて示した。
政府はスムーズな用地の取得に向けて、今年5月に「成田空港滑走路新造設推進協議会」を設置し、国・成田空港会社・千葉県・地元3市町が一体となって協議を行っている。水嶋次官は「本年度末までに必要な用地確保を加速化するよう大臣から指示を受けている」とし、年度末までの取得に強い意欲を示した。