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東北大、高レート生産へCFRP成形技術・材料DB構築

次世代単通路機開発視野に高精度シミュレーション環境
日本の十八番である炭素繊維複合材(CFRP)。航空機ではその利活用が進み、787型機やA350といった機体は、全複合材製の航空機として日本の素材産業の技術の粋がふんだんに活用されている。しかしながら787などで使用されているCFRPは、オートクレーブによって高温・高圧でプレプリグを焼き固める必要があって、設備占有時間も長時間化してしまうなどの課題がある。
787型機のように最大でも月産14機程度ならばオートクレーブを使ったこれまでの手法でも生産に対応することができたが、旺盛な需要のある単通路機ともなれば、求められる生産レートはその比ではない。単通路機は現状、CFRPは使われていないが、2035年頃に市場投入されるであろう次世代単通路機では、機体の軽量化・低燃費化の観点から、CFRPの採用が期待されるところ。
そこでCFRPの高レート生産技術を開発するということが、日本の航空機産業が次世代単通路機プログラムでワークシェアを勝ち取る鍵の一つでもあるのだ