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2025.07.01

ウイングトラベル

★観光庁、旅行振興担当参事官を復活

 国内・海外旅行促進や観光人材確保・育成を強化

 観光庁は7月1日付で旅行振興担当の参事官を設置したと発表した。旅行振興担当の参事官は2023年以来の復活となる。国内旅行の活性化やアウトバウンド需要の喚起に加え、長期的に人手不足状態が続いている観光人材の確保・育成を強力に推進していく。担当参事官には直近は文部科学省で勤務していた根来恭子氏が就任する。

 国際観光部、観光産業課、観光資源課の一部業務を集約
 参事官には根来恭子氏が就任

 旅行振興担当参事官は2018年に当時の田端浩長官が設置。当時はアウトバウンド促進、若者旅行・国内旅行の振興や休暇改革などの業務に取り組む部署として立ち上がった。その後、コロナ禍では「Go Toトラベル」や「全国旅行支援」といった事業の陣頭指揮を執る部門として主に活動していたが、2023年に観光産業課に実質的に吸収される形となっていた。
 訪日インバウンドが過去最高水準を達成する一方で日本人の海外旅行は昨年末時点でコロナ禍前の65%の回復率にとどまっている。今後インバウンドとの相乗効果を生み出すためにはアウトバウンド需要の喚起が不可欠となる。また、日本人旅行のマーケット拡大にあたっては国内旅行の振興も欠かすことができない。
 日本人旅行需要の喚起とあわせて観光産業においては長期的に人手不足状態が続いているのが大きな課題となっている。今後旺盛な観光需要をしっかりと取り込むためには人材の確保・育成を一層強化していく必要がある。
 これらの政策課題に取り組む体制を強化する一環で旅行振興担当の参事官を再び設置することとした。
 今回は、国際観光部の参事官室が担当していたアウトバウンド促進業務、観光産業課の旅行業関連業務と観光人材の確保・育成に関するもの。そして、観光資源課の国内交流の業務を集約し、旅行振興担当参事官を設置する。なお、参事官には根来恭子氏が文部科学省大臣官房付から異動する。

※表=7月1日以降の観光庁組織図(観光庁発表資料より)