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2025.05.01

WING

航空輸送統計2月、国際航空コロナ前と同水準

 国内は大幅な増加、利用率が8割超と高水準

 国土交通省は本邦航空運送事業者による2月分の航空輸送統計速報をまとめ、国際航空の旅客輸送量が前年同月比では17.4%増、コロナ禍前の2019年同月比2.1%減の178万5000人になったと発表した。人キロベースが前年比18.3%増、19年比8.1%増の85億710万3千人キロ、座席利用率が84.9%となった。このところ訪日旅客が大幅に伸びており、国際線旅客は前年より2割近く上回った。コロナ禍前とは若干下回る程度で、遜色ないレベルまで回復した。
 国内定期航空の旅客輸送量は前年比3.4%増、19年比7.8%増の845万4000人となり、人キロベースが前年比3.7%増、19年比11.1%増の80億8471万8千人キロ、座席利用率が81.7%だった。国内線旅客の需要は、人ベース・人キロベースともコロナ禍前を上回り、利用率も8割超という比較的高い水準となった。
 超過手荷物・郵便を含む貨物輸送量は、国際航空貨物が前年比5%増、19年比12.7%増の11万1531トンで、トンキロベースが前年比0.2%減、19年比7.2%増の6億1967万1千トンキロ、重量利用率が69.1%だった。国内の輸送量が前年比7.8%増、19年比15.3%減の5万5351トン、トンキロベースが前年比6.2%増、19年比16%減の5832万1千トンキロで、重量利用率が56.7%だった。
 航空機燃料の消費量は合計で76万8047キロリットルだった。そのうち国際線の国内給油が23万2251キロリットルで、国外給油が22万4169キロリットル。一方の国内線の定期便への給油が30万7370キロリットルで、その他が2132キロリットル(うち航空ガソリン143キロリットル)となった。
 航空機使用事業などの航空機の稼働実績は全体で前年同月比9.8%減の6637時間55分だった。そのうち固定翼の飛行機が9.3%減の2688時間47分で、回転翼のヘリコプターでは2%減の3949時間8分だった。事業別で見ると、航空機使用事業では飛行機が12.7%減の2545時間で、ヘリが6.6%増の2297時間51分。遊覧では飛行機が84.4%減の3時間41分で、ヘリが37.5%減の184時間53分。貸切では飛行機が64.1%減の140時間6分で、ヘリが7.1%減の1466時間24分となった。

■国際線方面別実績
・中国=旅客数:26万4127人(40.4%増)/貨物量:2万3321.646トン(10.3%増)
・韓国=旅客数:14万5959人(11.9%増)/貨物量:3083.877トン(27.8%増)
・その他アジア=旅客数:81万2035人(12.9%増)/貨物量:3万7937.633トン(16.5%増)
・米大陸=旅客数:24万9243人(10.1%増)/貨物量:2万8175.736トン(7.9%減)
・ハワイ・グアムなど太平洋=旅客数:14万1598人(5.3%増)/貨物量:2668.673トン(19.9%減)
・ヨーロッパ=旅客数:12万2467人(54.4%増)/貨物量:9580.795トン(4.6%増)
・オセアニア=旅客数:4万9284人(16.2%増)/貨物量:2024.459トン(4.4%増)

■国内路線別実績
《幹線》
・羽田-新千歳=旅客数:85万816人(10.8%増)/貨物量:9117.456トン(16.5%増)
・羽田-伊丹=旅客数:40万122人(10.7%増)/貨物量:4259.087トン(11.1%増)
・羽田-関西=旅客数:9万5559人(1.5%増)/貨物量:704.023トン(54.8%増)
・羽田-福岡=旅客数:74万7533人(6.5%増)/貨物量:7940.28トン(3.8%増)
・羽田-那覇=旅客数:53万9486人(3.6%増)/貨物量:7861.743トン(4.9%減)
・成田-新千歳=旅客数:13万2138人(30.8%減)/貨物量:542.495トン(493万1672.7%増)
・成田-伊丹=旅客数:1万6139人(9.7%増)/貨物量:3.314トン(1.7%減)
・成田-関西=旅客数:5万1705人(23.8%減)/貨物量:0トン(皆減)
・成田-福岡=旅客数:10万4552人(17.4%減)/貨物量:0トン(皆減)
・成田-那覇=旅客数:5万5913人(9.9%増)/貨物量:214.024トン(455.7%増)
・伊丹-新千歳=旅客数:10万6068人(1.1%増)/貨物量:533.426トン(7.4%増)
・伊丹-福岡=旅客数:5万5732人(7.4%増)/貨物量:206.828トン(22.6%増)
・伊丹-那覇=旅客数:9万2703人(2.4%増)/貨物量:2000.019トン(7.7%減)
・関西-新千歳=旅客数:11万2026人(4.9%減)/貨物量:13.917トン(61.7%減)
・関西-福岡=旅客数:3万6801人(3.4%減)/貨物量:0トン
・関西-那覇=旅客数:10万6045人(8.6%増)/貨物量:209.924トン(7.7%減)
・福岡-新千歳=旅客数:8万2293人(12.6%増)/貨物量:156.378トン(44.5%減)
・福岡-那覇=旅客数:17万4343人(3.3%増)/貨物量:746.022トン(11.2%減)
・新千歳-那覇=旅客数:9291人(1.4%減)/貨物量:0トン
《主要ローカル線》
・羽田-鹿児島=旅客数:20万423人(5.2%増)/貨物量:1061.971トン(14%減)
・羽田-熊本=旅客数:16万63人(5.9%増)/貨物量:589.488トン(13.5%減)
・羽田-広島=旅客数:14万5752人(9%増)/貨物量:973.417トン(25.5%増)
・羽田-長崎=旅客数:14万5399人(12.4%増)/貨物量:383.188トン(4.7%減)
・羽田-松山=旅客数:12万7306人(6.2%増)/貨物量:410.422トン(7.1%減)
・中部-新千歳=旅客数:10万7997人(5.6%増)/貨物量:123.751トン(1%減)
・羽田-宮崎=旅客数:12万6298人(11.4%増)/貨物量:262.883トン(4.9%減)
・その他のローカル線=旅客数:367万1935人(2.4%増)/貨物量:8384.208トン(35.4%増)

※図=国際線は着実に回復。国内線は旅客がコロナ前を超えた