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2023.02.03

WING

第169回「日本が危ない」日本が主導する同盟の現代化

キーワードとなった現代化
異例だった大統領の出迎え

 

 「同盟の現代化(Modernization)」~これが1月13日に米国の首都ワシントンで行われた日米首脳会談と、それに先立って11日に行われた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)のキーワードだ。台湾有事に備え、日本政府が保有を決めた反撃能力をはじめ、宇宙を含めた幅広い分野での日米同盟の深化が盛り込まれた画期的な内容となった。
 13日の会談後、通常は行われるはずの日米両首脳による共同記者会見は開かれなかった。代わりに寒空の中、米大統領ジョー・バイデンは首相、岸田文雄の到着をホワイトハウスの入り口で待って出迎えた。日本側は「米国の歴史上初めて80歳の大統領となったバイデンとしては異例のことであり、いかに日本を厚遇しているかの表れ」と説明した。
 朝日新聞特派員の榊原謙は会談後、「共同声明は英語で1ページ半、共同会見は設定されず。日本としてはなんとなく寂しい印象も受けます」とツイートしたが、現地のホワイトハウス詰め記者によると、バイデン政権下で記者会見が行われないのは日本に限ったことでない。
 「大統領は80歳となって老いが進んでいる。そのためホワイトハウスのスタッフは失言を避けるため記者会見やインタビューの機会を極力減らそうとしている。米主要メディアは民主党支持が多いため、大統領の老いが進んでいることを積極的に報じようとしない。もっとも日米会談ですら会見しないのはよほどのことだ」とこの記者は語る。
 加えてバイデンの私的オフィスから副大統領時代の機密文書が見つかり、特別検察官が任命され捜査が進められることになった。記者会見を行えば、この問題について米メディアから追及されるのは必至のため、米側は最初から会見の設定に応じようとはしなかった。

 

バイデンから軍事同盟発言
40年前には外相辞任も

 

 バイデンの肉声が取れたのはメディアに公開された会談の冒頭だけだったが、そこでバイデンは次のように注目すべき発言をした。

 

日米首脳会談では、大統領による異例の出迎えを受けた(提供:首相官邸)

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