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エアバス、水素燃料電池エンジンモデルを初公開
A380「MSN001」搭載し26年までに飛行実証
去る2020年9月、エアバスは水素旅客機コンセプト「ZEROe」を発表し、2035年までに就航することを目指すと表明、世界に衝撃を与えた。そこから新型コロナパンデミックと共に過ごしたおよそ2年の月日が経過―――。エアバスは11月30日、メガワット級水素燃料電池エンジン実証機モデルを初めて公開した。A380初号機(MSN001)を改修して、2026年頃までに飛行試験を実施する方針だ。なお、エアバスはメガワット級の推進システムを今から4年以内に設計、製造、実証する計画を立案済みだ。
航空機で水素を活用するためには、ガスタービンで水素を燃焼する方法と、燃料電池を使って水素を電気に変換し、プロペラエンジンの動力源とする方法が考えられている。
エアバスは「ZEROe」コンセプトにおいて4つのタイプを発表しており、このなかで高翼の100人名乗り規模のリージョナル機を提案。8枚羽根のプロペラをエンジンポッドに取り付けるという構成になっている。このポッドには水素燃料電池が搭載され、電気化学反応によって電気を発生させ、電気モーターを駆動させる仕組みになっている。
エアバスによると、「MSN001」は燃料電池エンジンポッドを搭載するため、機体の外装の一部を改修するほか、機体後部には液化水素を搭載するための独自の低温タンクを設置する予定にあるとした。
※この記事の概要
どのように推力を発生させるのか?
副産物は「水」のみ
実証エンジン飛行試験へA380改修
26年の飛行試験向けて各種試験は?
その一部は既にスタート など