★旅行会社各社、感染防止徹底し入社式開催

　アフターコロナに向けて改革、事業拡大

　新型コロナウイルス感染症の世界的流行から2年目の新年度がスタートした。かつてない厳しい経営環境の中で、2021年度は社員の採用を抑制しているが、今回は感染防止対策を徹底化した上で、各社とも入社式を実施した。
　コロナ禍で、旅行業界が置かれた経営環境はかつてないほど厳しいものの、これを契機として構造改革に取り組み、アフターコロナに向けて事業拡大や新たな領域へ挑戦してくことを強調した。そして、新入社員に対しては、自ら積極的に行動し、チャレンジしていくことを求めた。

■JTB253名入社、限定式典とオンラインで開催
　山北社長「専門性を磨き交流時代切り開く」

　JTBグループは新入社員253名を新たに迎え、JTBグループ合同入社式を開催した。三密を回避するため例年約600名の新入社員を迎える同会場で、新入社員と一部の役員のみ出席し、各グループ会社代表からの新入社員へのお祝いメッセージは、オンラインで配信しながら、感染予防対策を講じて実施した。
　山北栄二郎社長は、引き続き厳しい環境下にあるが、昨年定めたJTBグループ経営ビジョン「地球を舞台に『新』交流時代を切り拓く」のもと、「アフターコロナの世界観や価値観の中で、人々が地球を舞台に強く、相互に、多様に繋がり合い、ローカルとグローバル、リアルとデジタルな交流が相乗効果を生み出していく時代を一緒に切り拓いていきたい」と述べた。

※写真＝入社式で挨拶するJTB山北社長

■日本旅行、19名迎えて入社式を本社で開催
　小谷野社長「夢と期待を持てる会社に成長」

　日本旅行)は4月1日午後、本社会議室で新入社員19名（男性9名、女性10名）を迎えて入社式を開催した。
　小谷野悦光社長は新入社員を前に、「新型コロナウィルスの影響は、私たち旅行業界に甚大な影響を与えている。全世界の移動が止まってしまった今回のような状況は、日本最古の旅行会社である日本旅行にとっても、世界大戦の時を除いて初めての経験。この壁は必ず乗り越えられると信じているが、当社を取り巻く環境は、急激な変化を続けている。企業関連需要の停滞、テレワークの拡大による出張の減少、お客様のニーズの変化等、『コロナ禍前の状況には戻らない』ということを前提に、会社は様々な取組を進めようとしている」と述べた。

※写真＝小谷野社長を前に答辞を述べる新入社員代表

■東武トップ82名入社、2カ所で採用式典
　坂巻社長「周囲に流されない人間になれ」

　東武トップツアーズは今年度に82名の新入社員を採用し、徹底した感染防止対策のもとで、対面での辞令交付式を千葉県成田市内の2カ所に分かれて採用式典を開催した。新入社員は、辞令を一人ひとり受け取った後、新入社員研修を受け、4月中旬までに各々の配属先へ出社となる。同社は引き続き、2022年度も新入社員の採用を予定している。
　坂巻伸昭社長は新入社員を前に、「入社にあたり、新型コロナウイルスの感染拡大により旅行業はどうなるのかと不安に思った方もいるのではないか。従来と同じことをやっていては立ち行かなくなることは、コロナがあったからではない。人工知能（AI）やITの進歩により、リアルエージェントとして何をしなければならないのかという課題は以前から存在しており、変革を求めるタイミングが少し早まっただけなのだ」と旅行業界の現状を語った。

※写真＝東武トップツアーズ入社式

■阪急交通社38名入社、大阪本社を式典開催
　酒井社長「1年目からチャンレジしよう」

　阪急交通社は4月1日午後2時から大阪本社内のハービスホールで、新入社員38名を迎えて入社式を開催した。
　酒井淳社長は新入社員を前に、「内定時以来、1人も欠けることなく無事38名を当社に迎えられたことは本当に喜ばしく、感慨深く思っている。恐らく今日を迎えるまで、コロナ禍において旅行業界がいまだかつてない状況となり、様々な不安にさいなまれていたのではないかと推察する」と述べた。

■KNT-CTグループ、新入社員総数は110名

　KNT-CTホールディングスはグループ全体で、2021年度の新入社員総数は110人となった。内訳は、クラブツーリズムが66人、KNT北海道、KNT東北、KNT関東、KNT首都圏、KNT中部、KNT関西、KNT中国四国、KNT九州、KNTコーポレートビジネス、KNT-CTウエブトラベルで計44人となっている。
　新入社員の入社式は、4月1日にグループ各社ごとに執り行われた。

■HIS、2021年度新入社員26名採用

　エイチ・アイ・エス（HIS）は新型コロナウイルスの影響による経営環境の変化にともない、昨年6月に2021年度入社の新卒採用活動を中止していた。このため、新入社員は採用活動中止前に内定を出していた26名にとどまった。なお、同社は2022年度の新卒者の採用も見送ることを決定している。