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2018.06.26

ウイングトラベル

JTB、プリンセス・クルーズとホテルシップ

東京五輪中、横浜港でクルーズを宿泊施設に

 JTBは2020年の東京オリンピック期間中にクルーズ客船をチャーターし宿泊施設として活用するホテルシップを実施すると発表した。米プリンセスクルーズの「サン・プリンセス」を20年の7月23日〜8月9日の19日間チャーターして横浜港・山下ふ頭に停泊させ、その客室を個人・法人に対して販売する。サン・プリンセスは1011の客室を有し、一度に2022人が宿泊することが可能。同社は2泊3日を1パッケージとし、合計で9パッケージの販売を行う。宿泊代金は2泊3日で1人7万円台〜60万円台とする計画。ホテルシップの展開により、課題となっている五輪期間中の宿泊施設不足に対応していく考えだ。
 ホテルシップは、近年のオリンピックにおいて宿泊施設として多く活用されている。2010年のバンクーバー冬期五輪では、クルーズ船3隻がホテルシップとして活用され、延べ19万人が宿泊した。このほか、12年のロンドン、14年のソチ、16年のリオデジャネイロの各五輪でもホテルシップが活用されている。
 日本では、窓のない客室が旅館業法に抵触するなどさまざまな規制があり、ホテルシップの運用が行われてこなかった。しかし、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、内閣官房において「クルーズ船のホテルとしての活用に関する分科会」で議論が行われた結果、イベントの開催期間とその前後数日限定で自治体の判断でクルーズ船の窓のない客室を客室として利用することができるという規制緩和が行われ、ホテルシップの運用が可能となった。この決定を受け、JTBは横浜港でホテルシップを実施することにした。

 

 2泊3日7万円台から、延べ3万6000人泊受入
 クルーズ運航時と同等のサービスを提供

 6月25日にプリンセスクルーズの客船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で行われた記者会見でJTBの高橋広行社長は、「サン・プリンセスによるホテルシップは述べ3万6000人泊の受け入れが可能で、オリンピック期間中の宿泊施設解消に資すること。そして、大会後の有益なレガシーとして活用可能であることが今回のホテルシップ展開の大きな理由となっている」と述べ、ホテルシップが五輪期間中の旅行者受け入れに貢献できる点と五輪以降の大型イベントを受け入れる上で有益な施設であると判断しホテルシップの展開を行うことを強調した。

 

※写真=横浜港のホテルシップ実施を発表し、記念撮影を行う関係者。写真右から、プリンセス・クルーズのスチュアート・アリソン アジア太平洋地区コマーシャル・オペレーション担当 シニア・ヴァイス・プレジデント、国土交通省の菊地身智雄港湾局長、横浜市の林文子市長、JTBの高橋広行社長、皆見薫常務取締役法人事業部長、鈴木章敬法人事業本部事業推進担当部長