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2019.04.22

WING

丸茂空幕長、T-4飛行見合わせ、部品改修で対応

想定以上の振動、機体の経年が影響か

 丸茂吉成航空幕僚長は4月19日の会見で、中等練習機として各航空基地で使用するT-4にエンジン不具合が発生したとして、同機すべての運用を見合わせていることを明かした。調査の結果、エンジンの振動を抑える部品の交換が必要なことが判明。そのため、同部品をより振動が抑えられる形状へ改修した上で、順次部品交換を行った機体から飛行を開始するとのこと。飛行教育やパイロットの資格維持などの面で今後影響が見込まれるため「地上での教育など優先順位を工夫して進める」として、飛行見合わせの影響を極力抑えたかたちで、練成や教育を行っていく構えだ。
 不具合が発生したのは今年4月2日で、三沢基地所属のT-4練習機によるもの。同機は13時07分に離陸したが、13時9分には右エンジンからの異音と振動をパイロットが確認。13時15分には右エンジンを停止した状態で着陸して、直ちに点検を実施した。すると右エンジンは、振動によりタービンブレードが折損していて、それによってエンジン内部が損傷したという。この結果を受けて、ブルーインパルスを含む航空自衛隊保有のT-4約200機すべて飛行を見合わせた上で、エンジン製造会社のIHIによる調査を実施。その結果、振動を抑える部品の機能が不足していたことが分かり、全機に対して同部品の交換が必要になったとのこと。
 ただ、T-4は1988年から運用開始となった航空機。約30年も使用していながら、部品の改修が必要になった背景には、長年使用してきたからこそ、機体そのものの経年が影響したと考えられる。改修が必要な部品は整備の都度交換するものではあるものの、交換できない部品で経年による影響が発生したと見られる。そのため、従来の部品では振動を抑えきれず、想定を超える振動によってエンジンの不具合につながったようだ。
 T-4の飛行再開は、部品交換を行ったものから順次飛行できるようになる。ただし、ブルーインパルスでは現時点で6月2日まで予定していた展示飛行の中止を決定した。4月28日の鹿屋航空基地、5月5日の岩国、5月18日の静岡県下田市第80回黒船祭り、6月2日の美保基地まで中止とする。これは航空機が飛行できるようになっても訓練が必要になるため。さらには、訓練などで使用する再開を優先するべき機体も多く、改修期間も長くなることが予想されるためだ。空自では飛行を再開した機体を効率的に使って、訓練などでの支障を極力抑える。

 

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※写真=エンジンの振動を抑える部品を改修して不具合に対応する(提供:航空自衛隊)