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Transoft Solutions「AviPLAN」ケーススタディ
成田国際空港株式会社様
常日頃の安全・安心な空港運用、緊急時態への対応にもAviPLAN TurnProは役だっています。
年間4000万人以上の航空旅客が利用する成田国際空港。その設置管理者として、建設から管理運営を行っているのが成田国際空港株式会社です。成田国際空港におけるAviPLAN TurnProの具体的な活用例について、成田国際空港株式会社 空港運用部門 総合安全推進部 担当部長 山本裕氏、同部 技術企画グループ(当時) 安全推進グループ(兼務) 寺田光穂氏、同部 CADオペレータ 岡田夏枝氏にお話を伺いました。
・空港運用部門
総合安全推進部担当部長
山本 裕氏
・空港運用部門
総合安全推進部技術企画グループ(当時)総合安全推進部 安全推進グループ(兼務)
寺田光穂氏
・空港運用部門
総合安全推進部 CADオペレータ
岡田夏枝氏
■会社名:成田国際空港株式会社
所在地:千葉県成田市成田国際空港内NAAビル(成田市古込字古込1-1)
主な業務:成田国際空港の設置及び管理
社員数:837名(2024年3月31日時点)

世界トップレベルの空港を目指す
——成田国際空港株式会社について教えてください。
成田国際空港株式会社(NAA)は、成田国際空港の設置管理者として、建設から管理運営までを行っています。
成田国際空港は1978年の開港以来、東京の空の玄関口を担っており、2024年10月時点で海外102都市、国内18都市の計120都市と結ばれ、2024年度にご利用いただいたお客様は約4,077万人、5年ぶりに4,000万人を超え、過去4番目の旅客数となりました。成田国際空港は国際拠点空港としての役割を果たし、グローバルな航空ネットワークの発展に貢献する、世界トップレベルの空港を目指しています。
一方で、成田国際空港の施設配置は50年以上前の計画コンセプトのままであり、現在の国際空港の求められているニーズに十分応えられているとは言えません。そのため、2025年6月に発表した「成田空港第二の開港プロジェクト」構想とりまとめ2.0では、構想とりまとめ2.0では、旅客ターミナルの再構築、航空物流機能の高度化、空港アクセスの改善、近接地域との一体的な発展等に関する成田空港の将来像を検討しています。
安全であることを検証するためにAviPLAN TurnProを活用
——NAAでは2015年よりTransoft SolutionsのAviPLAN TurnProを導入し、活用されています。具体的な活用事例を教えてください。
航空会社が運航機材を変更した際や新規航空会社が就航した際、割り当てられたスポットの検証済みの適合機種以外を就航させる場合に、必要なクリアランスを確保できているかなど状況確認のためにAviPLAN TurnProでマヌーバーを描いて検証します。もちろん標準設計に合致した設計をしていますが、各機種の特性に合わせた誘導路等を走行中の航空機のクリアランスの検証、プッシュバックしたときのクリアランスの検証などを行います。
実際に検証すると、ほとんどの場合で問題はありません。ただ、検証することで問題がないこと、安全であることの確認ができますので、運用方法の決定に役立ちます。

2. 工事区域に対するブラストの影響確認
(作業場所にブラストの影響があるのかを確認し、施工時間/昼間・夜間、作業範囲の設定に活用)
エプロンや誘導路での工事や作業の申請に対して、航空機と作業場所のクリアランスや作業場所へのブラストの影響を検証するためにAviPLAN TurnProを活用しています。エプロンや誘導路を閉鎖して作業を行う場合、エリアを予め設定しますが、その際に、もっとも注意して確認するのが、運航している航空機とのクリアランスです。AviPLAN TurnProを使って検証し、クリアランスが取れていなければ、工事エリアの範囲を変更することもあります。そして検証した結果、影響がなく大丈夫となれば、工事監督部署などに安全が確保できていることを伝えて、工事の実施に向け調整を進めていきます。
作業エリアを決定するにあたっては、作業エリアと航空機の翼端から何メーター以内といったクリアランスの他、飛行機のブラストの影響も検証します。クリアランス的にはOKでも、ブラストの影響があれば、その範囲は作業ができません。作業をしなければならない範囲にこのような影響がある場合は、夜間に作業を行う選択をします。成田国際空港の場合、夜12時から朝6時までは原則航空機の離発着がありませんので、その時間帯での作業を計画します。実際には、作業は昼間に実施したほうが効率もよく、夜間作業よりもコストも安く実施できます。そのため作業エリアのうち、この範囲は昼間の作業、航空機の影響がある範囲は夜間作業といったように計画を立てる際にも、AviPLAN TurnProを使っています。
3. 新たに建設した第8貨物ビルの駐車場や道路建設の際、大型車両が通行/駐車できるかを検証。
(供用後に困らない建設の建設に活用)
2024年10月21日から輸出、同年11月1日から輸入に関しての供用を開始した第8貨物ビルを建設する際、駐車場内の動線確認にAviPLAN TurnProを活用しました。それまで分散していた貨物上屋を集約し、最新設備で効率性の高い新たなオペレーションを実施するためには、駐車場内の動線確認は不可欠です。実際の設計図は建築設計会社が作成しますが、その内容を受けて、実際にここはきちんと曲がれるのか、オペレーション可能なのかといったことを検証しました。第8貨物ビルは成田空港のアジアゲートウェイ機能、並びに日本からの輸出・輸入の強化による貨物の国際競争力を高めるために重要な施設であるだけに、エアポートオペレーターであるNAAとしての検証は不可欠です。

空港オペレーションの維持にAviPLAN TurnProは不可欠
——NAAにおけるAviPLAN TurnProの導入効果、メリットについて教えてください。
事故が起こった際、空港の一部が使用できなくなるケースがあります。そのような場合、どのような経路で行けば滑走路が使えるのか、という検証作業にもAviPLAN TurnProを活用するつもりです。緊急事態に空港オペレーションを維持するためには、AviPLAN TurnProはなくてはならないものです。平時であれば外部に委託しての検証も可能ですが、緊急事態においてはNAA自体でその検証を行えることは非常に重要で、空港機能を維持するためには重要な役割を担っています。
もちろん、日常の安全確認も重要です。例えばパイロットから「隣の飛行機がとても近く見えるけれど大丈夫か」といった確認があった際、AviPLAN TurnProでマヌーバーを描いて検証し、「近くは見えるけど、基準値をクリアしているから大丈夫」と伝えることもあります。
このように日常的な安全の確認と、緊急事態における空港オペレーションの維持、両方にAviPLAN TurnProは不可欠です。AviPLAN TurnProは空港に特化したものだけに、空港オペレーションに関わる人間にとって、非常に付加価値の高いシステムです。
更なる内容の充実に期待
——AviPLAN TurnProは他の部署でも活用されているのですか。
私たちの部署は運用が中心ですが、新しい滑走路を作る部署では計画の立案などで活用しています。
——AviPLAN TurnPro、Transoft Solutionsへの期待やリクエストがあればお教えください。
CADそのものはネット検索で使い方などを調べるとたくさんヒットしますが、AviPLAN TurnProはほとんど出てきません。ちょっとした使い方などを簡単に調べられるようになると助かります。
AviPLAN TurnProは空港関係者にとっては不可欠と言えるシステムです。内容がより充実していくことに期待しています。
取材:2025年5月
