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2025.12.03

WING

三菱重工民間機事業、ボーイング生産量回復で収益拡大

 需要旺盛な787、「月産14機は自信もって対応可能」

 三菱重工業民間機セグメントの髙口宙之セグメント長(執行役員)が本紙の取材に応じて、ボーイング民間機プログラムを軸としたTier1事業の足元の状況について、「ボーイングは近年、品質問題などいくつか課題を抱えていたが、ケリー・オルトバーグ社長の強いリーダーシップの下、安全・品質に重きを置き、現場と技術重視というマネジメントに大きく転換し、その取り組みが社内に浸透して、力強いボーイングが戻ってきたように感じている」コメント。その結果、今年度から737と787型機の生産が本格的に回復してきたとし、2025年度は前年度対比で着実に売上収益を上積みすることができるだろうとした。
 「向こう3年ぐらい先を見た時、顧客の需要を満たすためボーイングが積極的に増産することに伴い、我々の売上収益も上昇していくだろう」とコメント。さらに、「もう1点、我々が期待していることは777Xの型式証明取得だ。エアラインのお客様からは、いち早く新造機を納入して欲しいというニーズが強く、我々としても777Xの増産に向けた準備をしている」とした。
 この777Xに関してボーイングは、初号機の納入を2027年に後ろ倒しすることを決定。「型式証明を取得することができなければ、我々も本格的な量産に着手することができない。量産開始に備えて現状は低生産レートながら生産は継続している。我々は広島の江波工場で胴体パネル組立を自動で行うM-PALライン(Multi-Panel Pulse Assembly Line)を構築しており、このラインで生産を行っている」として、肝いりで整備したM-PALラインを稼働させていることを明かした。

※画像=生産量が回復している787プログラム。写真はボーイングのチャールストン工場(提供:ボーイング)
※この記事の概要
・月産14機を超えるようなら追加投資の可能性も  など