記事検索はこちらで→
2019.02.19

ウイングトラベル

東大公共政策大学院、観光の再構築へセミナー

宮田文化庁長官、ストーリーが文化と観光結ぶ

 東京大学公共政策大学院の国際交通政策研究ユニット(ITPU)は去る2月13日、「『観光』の再構築〜シン・観光を目指して〜」をテーマにセミナーを開催し、宮田亮平文化庁長官、田端浩観光庁長官、清野智日本政府観光局(JNTO)理事長らが揃って登壇した。ITPUは今年4月より、従来の「交通政策」に加えて、新たに「観光政策」の講座を開講することから、今回はそのお披露目も兼ねて、新時代の観光政策について活発な議論が行われた。当日は、産学官の「学」への期待についても議論されたが、学生時代から海外留学などに出やすい環境を作り、海外でグローバルな視点や価値観を学ぶことは、観光ひいては日本の将来にとって重要との指摘が相次いだ。また、インバウンドのみならずアウトバウンドも含めた双方向交流を促進する必要性も強調された。
 基調講演した宮田亮平文化庁長官は、「文化の新たな発見は観光に繋がる」をテーマに講演した。宮田長官は、「どういう脈絡を作るのか、物語を作ることが観光に結びつくし、文化に結びつく」として、ストーリーのなかで文化と観光を結びつけていく必要性を説いた。

 

 田端観光庁長官、訪日客一人当たり支出重視
 国際観光旅客税1000円は「アジアの相場観」

 田端浩観光庁長官は、「観光政策をめぐる現状と課題」をテーマに講演したが、「訪日1人当たりの旅行支出を非常に重視している」とした上で、市場別では欧米豪は滞在期間が平均14日と長く、誘致強化と娯楽サービスの磨き上げで消費額を向上させる一方、アジアは近く平均泊数が短いことから消費額もあまり高くないとして、「ここを滞在も長く消費してもらうことが重要な目標」との見解を示した。

 

 清野JNTO理事長、観光は相互交流
 「来てくれだけでなく、こちらからも行く」
 原田氏、音声サーチ対応を、中国増やす余地大
 グリズデイル氏、バリアフリーで課題をチャンスに
■東京大学ITPU、4月から「観光政策」講座開講

 

※写真=宮田亮平文化庁長官

 

※写真=田端浩観光庁長官

 

※写真=清野智JNTO理事長

 

※写真=バリージョシュア グリズデイル氏

 

※写真=東大公共政策大学院ITPUで「観光政策」の講座を担当する教授陣、左から渋武氏、佐藤氏、大橋氏。一番右は宿利氏