記事検索はこちらで→
2018.12.10

ウイングトラベル

JTB、19年度「ルックJTB」FIT取り込み拡大

ハワイ、欧州中心に需要開拓で取扱額5%増へ

 JTBは海外旅行商品「ルックJTB」の2019年度上期(19年4月以降出発)商品を発表した。19年度は同社が得意としてきたヒューマンタッチ型の旅行商品を提供していくことを柱に自由旅行の拡大などニーズの多様化に対応するべく企画性・品質の高い商品構成にこだわった。今年度から投入する個人型旅行の新ブランド「ダイナミックJTB」については発売時期の前倒しや取り扱い数の拡充を図り、取扱数の一層の上積みを目指す。方面別では、16年から取り組む「グローバル・デスティネーション・キャンペーン(GDC)」については、ハワイを選定。専用商品の展開を始め、さまざまな企画で需要喚起を図る。このほか、欧州も先日発表したシート・イン・コーチ型の周遊バス旅行商品「ランドクルーズ」の取扱い開始でFITの取り込み拡充を目指していく。このほか、シニア向け商品についてはブランドを再編、コースバリエーションの拡充や顧客との接点をより緊密にした活動を展開していくことで、さらなる需要拡大を目指していく。そうした取り組みを展開していくことで19年度は取扱額5%増、取り扱い人員6%増を目指す。
 18年度は、ミクロネシアの航空座席需要の減少に伴う取扱額の落ち込みやハワイ島の噴火により需要減、さらに関西、新千歳空港の一時閉鎖など、日本国内の自然災害による影響など、マイナス要素はあった。その一方でヨーロッパ旅行需要の回復に加え、GDSで取り組みを強化したオーストラリアについてもウルル(エアーズロック)を中心に商品構成を拡充。また、航空座席の仕入強化の一環でチャーター便の買取仕入を強化。初めてベトナムのフーコック島へのチャーターを実施するなど、レジャー旅行需要取り込みに向けて積極的な座席仕入の強化を図った。そうした取り組みを展開することで、「一定の成果を挙げることができた」と12月7日に開催した商品発表説明会で生田亨常務執行役員・海外仕入商品事業部事業部長はそのように振り返る。
 19年度の市場環境について生田常務執行役員は「消費税増税による消費マインドの影響や燃油変動の影響、国際情勢の動向など不安要素は見られる。しかし、ゴールデンウィーク(GW)と年末年始の日並びが良いことや航空座席供給数もさらなる増加が見込まれることが予想され、市場全体は引き続き堅調に推移するのではないかと考えている」と指摘した。

 

 最大10連休の来年GW、予約数前年比2.5倍に
 キャンセル待ち8000人、仕入強化で商品拡充

 

 「ダイナミックJTB」、ブランド浸透が課題
 販売開始時期前倒し、ハイエンド需要も開拓

 

 19年度のGDCはハワイに設定、地方送客強化
 新たな海の過ごし方訴求、現地インフラ改善も

 

 欧州ランドクルーズ、立ち上がり好調に推移
 旅行者数増加のフランスは特別企画を展開

 

 シニア向け商品大幅改定、ゆったり上質旅提案
 企画担当者と販売店一体のトータルケア展開

 

※写真=2019年度の旅行市場動向などについて説明するJTBの生田亨常務執行役員・海外仕入商品事業部事業部長

 

※写真=2019年度ルックJTBの方面別商品のポイントを紹介する遠藤修一執行役員海外仕入事業部副事業部長

 

※写真=2019年度のパンフレット。右から「JTB心ゆく旅」、ハワイ商品のパンフレット、「ランドクルーズJTB」