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2024.03.27

WING

海自、新配備SH-60L公開、搭乗員負担大幅軽減

 タッチパネルの操縦席、ベテラン超える自動制御

 海上自衛隊は3月26日、厚木航空基地で新たに配備を開始したSH-60L対潜哨戒ヘリを報道公開した。同ヘリは現在運用しているSH-60Kの能力を向上させたもの。ギアボックスなど駆動系を改良して飛行性能を向上させ、さらに飛行制御システムや、ソーナー、戦闘指揮システムなどの能力向上を図った。外観は従来型とほぼ同じながら、コクピットはディスプレイやスイッチ類が簡素化され、大幅に刷新。搭乗員の負担を極力軽減した機体となった。
 公開された最新機L型と、従来機K型のコクピットを見比べると一目瞭然で違いが分かる。K型のディスプレイが6面なのに対し、L型では4面となってすっきりとした印象だ。どれもタッチパネル制御となって確認したい情報をすぐに表示できる。戦闘指揮システムやデータリンクが強化され、護衛艦や僚機間ですぐに情報を共有でき、ディスプレイを通じて得られた情報を確認できる。
 進化したのはディスプレイだけではない。操縦席自体も進化しており、左右の席に共通の統合制御器(CDU)を搭載して、どちらでも操縦できるデュアル・コクピット化が図られた。また飛行制御システムの能力向上によって、あらゆる事象にもボタンを押すだけで自動で対処行動を取る。例えば、空間識失調に陥ってしまった際にボタンを押せば自動で機体の姿勢を制御する。さらにはミサイルが飛来した際に自動で回避行動を取る。これまで発生した事故の事例などを踏まえて、あらゆるリスクにもボタン1つで対応できるようにした。

※写真1=昨年12月から部隊運用を開始したSH-60L

※この記事の概要
・外観上K型との違い、2つのポイントで判別
・浅い海域で活動する相手潜水艦
 アデン湾など高温環境下にも対応  など