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2018.10.19

WING

ソフトバンク、増える山岳遭難にドローン、実用化へ提言

無線通信関連制度やドローン飛行関連制度の改正を

 ソフトバンクは、雪山や山岳地域などでの早期の遭難者救助を目的に、独自にドローン無線中継システムを開発した。同社はシステム実用化に向けた実証実験を約半年間実施。その結果を踏まえて、無線通信関連の制度改正とドローン飛行関連の制度改正が必要なことを提言した。雪山の遭難事故はもちろん、秋の味覚シーズンである現在も、山ではキノコ狩りなどで遭難して落命する人が増加している。そうしたなか、ソフトバンクが研究開発中のシステムが実用化できれば、遭難者を救うことに繋がりそうだ。
 ソフトバンクがシステム実用化に向けて提言したもののうち、無線通信関連の制度改正について同社は、ドローン無線中継装置は今までの実証実験を通して技術的に動作可能であることを確認し、実際の救助活動の現場への配備が可能との考えを示した。ただ、携帯電話の無線設備(基地局、レピーター、携帯電話機など)は干渉条件などの知見が足りないため、現状ではドローンへ無線設備を搭載したサービス提供が実現できないという。そこで実証実験の知見などを関係省庁へ提供しつつ、それらの省庁と協力して遭難者などの人命救助にこのシステムの利用ができるように、早期の制度化または制度改正が必要との認識を示した。
 一方、ドローン飛行関連での制度改正については、移動通信ネットワークを介してドローンを遠隔地から操縦する場合は、目視外飛行に当たるため、それを実現するには関係省庁の承認を受ける必要があるとのこと。そこで、この実証実験の知見なども関係省庁へ提供をしつつ、それらの省庁と協力して遭難者などの人命救助に同システムの利用ができるように、早期の制度化または制度改正が必要と訴えた。

※画像=複数の移動通信事業者に対応したドローン無線中継システム(提供:ソフトバンク)