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2021.04.12

ウイングトラベル

★20年度の旅行業の倒産件数は最少、負債は最大

 資金調達限界で「あきらめ倒産」の増加危惧

 東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2020年度(20年4月〜21年3月)の旅行業の倒産件数は前年度比4件減の23件と、最少記録を更新した一方で、負債総額は17.6倍の295億6100万円と過去20年間で最大を記録した。(株)ホワイト・ベアーファミリーが旅行業では過去最大となる278億円の負債額で民事再生法の適用を受けたことから、全体の負債総額を押し上げた。ただ、それを除けば、全体の6割は負債1000万円以上5000万円以下が占めており、小・零細規模の倒産が大多数を占めた。新型コロナウイルス関連倒産は13件と全体の6割を占めた。

 

※写真=旅行業の倒産の推移(TSR調べ)

 

 20年度の宿泊業の倒産、7年ぶりに100件突破
 コロナ関連倒産が過半数、経営破たん続出懸念

 2020年度(20年4月〜21年3月)の宿泊業の倒産件数は前年同月比53件増(71.6%増)の127件となり、7年ぶりに100件台を突破した。一方で負債総額は前年度の大型倒産の反動減により、16.2%減の662億8500万円に留まった。新型コロナウイルス関連倒産は68件と過半数を占めた。
 新型コロナ関連倒産の第一号が発生してから1年余りを経てもなお国内外ともに人の移動が制限され、宿泊業は逆風にさらされており、経営破たんの続出を避けがたい状況だとしている。そのため金融支援や需要喚起策をはじめとした経営支援が求められている。

 

※写真=宿泊業の倒産の推移(TSR調べ)