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2018.07.11

WING

スカイガーディアン無人機が大西洋横断に成功

ゼネラルアトミクス社有機で、英国軍用機エアショー会場に着陸

 

 ゼネラル・アトミクス・アエロノーティカル・システムズ・インク(GA-ASI)は7月11日、社有のMQ-9B「スカイガーディアン」無人機が中高度長時間滞空無人機として初めての大西洋横断飛行に成功したと発表した。同機は10日昼(米現地時間)にノースダコタ州グランド・フォークスを離陸し、同地の地上ステーションから衛星通信による遠隔操縦で、大西洋を横断して英国のフェアフォード空軍基地(インターナショナル・エア・タトゥー[RIAT]会場)に11日朝(英現地時間)に着陸した。
 今年のRIATは7月13日から15日まで開催され、英空軍100周年を記念するものともなっており、MQ-9Bの参加もそれを祝う意味がある。というのは英空軍がMQ-9Bを「プロテクターRG MK1」の名称で調達し、10年以上いろいろな地域で運用しているからだ。今回のMQ-9Bの大西洋横断飛行では、着陸も米国から遠隔操縦で行ったが、GA-ASIでは英空軍、英民間航空局、RIAT事務局に多大な支援を受けたとして、感謝の意を表している。到着したMQ-9BはRIATに地上展示される。
 MQ-9B「スカイガーディアン」は、多用途無人機「プレデターB」の基本型の愛称であり、海洋探査型は「シーガーディアン」と名付けている。
 GA-ASIではMQ-9Bを、プレデターB系列の中で、型式証明を取得しうるバージョンとした。自社費用による5年間の開発努力により、米国FAA(連邦航空局)および英MAA(軍耐空性機関)などの軍・民の耐空性認証機関が要求する厳格な耐空性基準に合致する遠隔操縦航空機(RPA)に育て上げた。
 MQ-9Bの主要諸元は翼幅24メートル、全長11.7メートル、最大離陸重量5670キログラム、燃料搭載量2721キログラム、ペイロード最大2155キログラム、エンジンはハネウェルTPE331-10ターボプロップ。最大高度4万フィート、最大滞空時間40時間、最大速度210ノット。

 

インマルサット衛星通信で遠隔操縦
確実な通信確保で運航柔軟性確保

 

 また、今回の飛行ではインマルサット・ガバメント社のLバンドおよびKaバンド衛星移動体通信サービス「スイフトブロードバンド」が活用され、完全な飛行ルート選定の柔軟性が確保されたという。抗堪性の高い、シームレスで、バックアップ接続性の確保された衛星通信が、米本土から英国までの遠隔操縦飛行を支えたということができるとしている。同通信は操縦系だけでなう、画像やビデオなどのミッション・データ送信でも、緊要性と保全を確保している。

 

※写真=大西洋横断を果たした社有のMQ-9A無人機(提供:GA-ASI)