2020.10.02

WING

全国陸自部隊に配備が進む災害用ドローン

I型は20式、II型は336式の取得が目標

 マルチコプター型の小型無人航空機(いわゆるドローン)が社会に普及し始めて何年たっただろうか。ホビー用として普及が始まったドローンも、今や多くの企業・団体などが社会への浸透と配達や測量などといった新たな用途の実用化を目指し各地で実証実験を行っており、我々市井の人々が「ドローン革命」の恩恵を受け得る社会の実現も近い。
 陸上自衛隊においても、大規模災害の発生に伴う災害派遣の際に活用できるとして民生用ドローンを部隊調達して運用しており、各種災害派遣時に情報収集や高所からの監視などに活用している様子を見ることができる。また、東部方面隊では、自立制御システム研究所(ACSL)や一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、災害ボランティアバイクネットワーク関東(VBN)と災害時の相互協力や平時の訓練実施などを定めた協定を2019年に結ぶなど、ドローン業界などとの結びつきも強化している部隊もある。
 今回WINGは、陸上幕僚監部広報室に対し、陸自部隊に導入が進む災害用ドローンについて質問を行い、得られた回答を基に災害用ドローンの現状と今後の動向を記した。なお、今回取材の対象としたのは、2019年度に導入を開始した災害用ドローンII型(以前は災害用ドローンと呼称)と2020年度末に配備する災害用ドローンI型で、これまでに部隊が調達して災害派遣などに活用してきた民生用ドローンは対象としない。

 

I型は軍用の「InstantEYE Mk3 GEN5」
II型は一般向けのParrot社「ANAFI」

 

 この災害用ドローンI型およびII型の導入に至る経緯について、陸幕は・・・
・・・その成果を踏まえて、2019年度から普通科連隊などの各隊区・分区担任部隊に災害用ドローンII型を選定・導入。2020年度末には災害用ドローンI型を主に各師・旅団の偵察部隊に配備することになっているという。・・・

 

4師団は災害用ドローン競技会を実施
6普連では積雪寒冷地での訓練を配備後初実施

 

※写真=災害用ドローンI型となる「InstantEYE Mk3 GEN5」(提供:InstantEYE ROBOTICS)

※写真=災害用ドローンII型となるParrot社製の「ANAFI」(提供:陸上幕僚監部)

※写真=東部方面隊は一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と災害時の相互協力や平時の訓練実施などを定めた協定を2019年に結んだ。左はJUIDA鈴木真二理事長、右は東部方面総監部情報部長の嶋本学1等陸佐(当時、現在は第15旅団副旅団長兼那覇駐屯地司令)

※写真=第4師団では師団戦技競技会に2020年度から「災害用ドローン競技会」を新設。各部隊から抽選で選抜した2名1組により、飛行準備から飛行までの時間や課題の達成状況を競い合ったという(第4師団ホームページより引用)

※写真=第6普通科連隊(美幌)では災害情報収集事前訓練の一環として災害用ドローンの操作訓練を今年2月に実施。災害用ドローンII型の配備から初の積雪寒冷地における操作訓練になったという(第5旅団ホームページより引用)