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2020.07.01

WING

FAA、737MAXのMCAS認証試験をスタート

約3日間の認証飛行、運航停止命令解除へ一歩前進か
 
 米連邦航空局(FAA)は6月29日(現地時間)、737MAXの改修したMCASソフトウェアの認証飛行試験を実施したことを発表した。そうしたなかFAAとボーイングは今週から737MAXの飛行試験を再開し、改修したMCASソフトウェアの認証飛行試験をスタート。FAAによれば認証飛行は約3日間かかると予想しており、試験を通じてFAAの認証基準を満たしているか否かを確認する。この試験を通じて、操縦や緊急時の手順など、幅広い観点から評価する方針だ。
 FAAは認証飛行は「重要なマイルストーン」との見方を示しながら、依然として「多くの重要な課題が残されている」ことにも言及。「慎重なプロセスを踏んでおり、必要な時間をかけてボーイング社の作業を徹底的に検討する」としている。その上で、「737MAXのMCASソフトウェアが認証基準を満たしていることを確認した後にのみ、運航停止命令を解除する予定」として、引き続き、同型機の運航停止命令解除には慎重な姿勢をみせており、今夏中の飛行再開を目指す構え。
 ライオンエアとエチオピア航空の墜落事故が相次いで発生し、その後の調べで操縦特性補助システム(MCAS)のソフトウェアに問題があることが発覚。以降、各国当局が同型機の運航停止を指示し、737MAXを保有する航空会社は長らく地上駐機し続けている。一方、開発・製造メーカーであるボーイングも、新造機の生産数を落としながらも機体を引き渡すことができず、今年1月になって製造ラインを一旦停止するまでに追い込まれてしまった。
 そうしたなか去る5月27日には同型機の製造を小ロットながらも再開に踏み切った。ただ年内は小ロット生産を継続し、2021年中に月産31機の水準まで回復させる計画だ。
 
 認証前進もキャンセル続々で暗雲
 
※写真=MCAS認証飛行が行われるも737MAXの先行きには暗雲が垂れ込めている。キャンセルや訴訟案件がまだまだ続くかもしれない