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2020.06.05

ウイングトラベル

★みずほ総研、コロナ禍で平日国内旅行振興を提言

 みずほ総合研究所は、「ポストコロナ」の観光振興として、平日の国内宿泊旅行の拡大を提言した。7月下旬からの「Go To Travelキャンペーン」の実施で、8月からの国内旅行振興が本格化する見込みだが、自家用車による有名観光地などへの集中化が懸念されるとし、これまでの国内旅行の課題とされてきた時期の平準化、地方への分散化、そして新しい日常に向かって「三密」を避けるためにも、アフターコロナの国内旅行振興は、公共交通機関を利用した「平日国内宿泊旅行」の拡大を提言した。
 今年の春休みとゴールデンウィークを含む4〜6月は国内旅行、海外旅行、訪日旅行が激減した。とくに、国内旅行者数は2019年4〜6月は1億6412万人、夏休みを含む7〜9月は1億6936万人で、重複する部分はあるとはいえ、4-6月に喪失した国内旅行者需要が7-9月に加わることになる。

 

 国内遠距離旅行拡大へ「トラベルポイント制度」
 JR、航空会社は訪日優遇制度を国内旅行に適用を

 同総研では、東日本大震災など災害復興時に繰り返し行われている高速道路の料金優遇策や旅行費や宿泊費の補助策では、これまで国内宿泊旅行のメインであった自家用車利用による有名地への休日宿泊旅行偏重に拍車が掛かることを懸念する。
 それを解決するために、まず鉄道・航空・船舶等の公共交通機関を利用した遠距離、例えば片道100km以上の平日国内宿泊旅行の費用の一部を「Go To Travel キャンペーン」並みの、1人1泊あたり最高2万円程度を公的に補助する「トラベルポイント制度」の創設を提言した。
 次に、同総研は訪日外国人向けの様々な公共交通機関利用の優遇策を今回の観光振興策では、公費負担により平日国内観光旅行限定で日本人に適用することを提案した。
 例えば、JRは7日間3万3610円で新幹線が乗り放題となる「ジャパンレールパス」を訪日外国人限定で販売している。また、航空各社も外国人だけ利用可能な片道1万円程度の格安プランを用意。加えて、航空各社は東京オリ・パラで訪日外国人向けの優遇プランを2020年夏限定で準備した。

 

※グラフ=国内旅行消費額の内訳(出典:みずほ総研)