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2020.05.22

WING

ANA、機内や空港内で「必ず」マスク着用を

機内・空港内サービスが防疫対策で変化も

 全日空(ANA)は5月21日、「ANA便をより安心してご利用いただくために」と題し、同社の感染拡大予防策と、ANA便利用に際しての利用者への要請を発表した。このなかで利用者に対して、機内および空港内におけるマスク着用について、「必ず着用を」と呼びかけ、これまでよりも一段階強い表現で、利用者にマスク着用を呼びかけた。さらに、例えば、保安検査場や搭乗口ではバーコードリーダーや改札機に旅客自らバーコードやICをかざし、通過証や搭乗案内用紙を自ら受け取るようにすることを求めた。
 既報のように、すでに国際航空運送協会(IATA)や国際空港評議会(ACI)らがポスト・コロナを見据え、航空輸送の再開に向けたバイオセキュリティー(防疫対策)のロードマップを発表。国際民間航空機関(ICAO)のタスクフォースでも、世界共通の統一基準策定に向けて動き出しているなど、航空業界はポスト・コロナのバイオセキュリティーのあり方を、模索している。ポスト・コロナ時代では、これまで旅客が当たり前のように享受してきたサービスが、変化することは否めない様相だ。
 そうしたなかANAが発表した「ANA便をより安心してご利用いただくために」によれば、「お客様へのお願い」として、機内ではマスクの着用を必ず求めることとしたほか、空港においてもチェックイン、ラウンジ、空港内のあらゆる場面において、原則的にマスクの着用を求めた。さらに、係員の指示や表示に従って、旅客同士のソーシャル・ディスタンスの確保に協力を求めるほか、スキップサービス、自動チェックイン機、自動手荷物預け機の利用を呼びかけた。
 ANAによると、「マスクを着用されないお客様ならびに発熱など体調がすぐれないお客様のご搭乗をお断りする場合がある」としており、マスク着用への協力を強く呼びかけた。ただ、マスクの着用に関しては、幼児または着用が難しい理由のある旅客は対象外とする。さらに、事前にメールアドレスを登録した旅客に対しては、検温による旅客自身の体調確認やマスクの着用、さらにはオンラインチェックインなども案内するという。
 感染症拡大の対策として、一部の国や航空会社では、搭乗時のマスクの着用を「義務」とするところも出てきている。そうしたなかANAとしては、「義務」とは表現しなかったものの、「必ず」着用するよう求めた。
 ANAによれば、「これまではお客様に対してお願いベースとしてマスクの着用を求めてきたが、今回は表現を一段階強めにした」とのこと。その上で、「義務かと問われれば、運送約款を変更しなければ義務化することはできない。ただ、機内の秩序維持や他のお客様が不快に思われるケースなどでは、規約に従ってケース・バイ・ケースで、搭乗をお断りすることもある」という。
 ただ、チェックインカウンターや搭乗口など、旅客とANAスタッフが接する機会はあることから、そうした段階でマスクを着用していない旅客にマスクの着用を呼びかける。さらに、例えばマスクがどうしても手に入らなかったなどの場合には、「ANAからマスクをお渡しすることもある」としており、搭乗前までにマスクが手に入らなかった利用者にも対応するとしている。それでもマスクの着用を断固として拒むなどの場合には、今後搭乗を拒否することもあり得るようだ。
 また、機内に限らず搭乗前の空港内(チェックインカウンター、ラウンジなど)・・・・・・・・・・・・。

機内清掃・消毒頻度を高めるなど防疫対策強化
安心して利用を、空港内も随所に消毒液

 ANAグループが実施する取り組みのうち、機内における感染拡大の取り組みとしては、・・・・・・。
 
■スターフライヤー、マスク着用を推奨
会話もできるだけ控えて

※写真=利用者に「必ずマスクの着用を」求めたANA。義務ではないものの、これまでのお願いベースから表現を強めたかたちだ。これまで当たり前だった機内・空港におけるサービスがポストコロナでは変わっていくかもしれない