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2020.05.22

ウイングトラベル

★コロナ禍で旅行業の事業廃止がさらに増加

 旅行市場消失、3-4月中心に事業廃止90社に

 新型コロナウイルスによる観光産業への影響が深刻化する中、旅行業者の事業廃止が引き続き増加している。今年1月以降に廃業し、営業保証金や弁済業務保証金の取戻し公告が官報に掲載された旅行業者の数は、5月だけで計90社に達し、4月の79社をさらに上回った。例年この時期は年度末を境に事業廃止を決める企業も多いが、今年は例年以上の高水準となっている。これまでのところ、新型コロナウイルス関連の旅行業者の倒産は2件(東京商工リサーチ調べ)にとどまるが、一方で4月以降は国内旅行、海外旅行、訪日旅行の全市場がほぼ消失し、観光再開への見通しも不透明な中で、事業廃止を選択する企業が増加している。既報の通り、4月の出国日本人数は前年同月比99.8%減の3900人、訪日外客数は99.9%減の2900人とわずかな数字で、国内旅行についても緊急事態宣言と外出自粛により4月以降は旅行商品がほぼ販売できない状況が続いている。
 5月の官報公告のうち、今年1月以降に旅行業を事業廃止し、日本旅行業協会(JATA)の保証社員としての地位を失ったとして弁済業務保証金の取戻し公告を出された旅行業者は11社、全国旅行業協会(ANTA)は52社に達した。また、旅行業協会に加盟していない旅行業者で、旅行業登録を抹消し、営業保証金の取戻し公告を出した旅行業者は27社あった。