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2019.08.06

WING

61式戦車、ヨルダン王立戦車博物館で展示へ

ヨルダンは自国開発の装甲車を寄付

 防衛装備庁および外務省は8月5日、退役した陸上自衛隊の61式戦車をヨルダン王立戦車博物館へ無償貸付することを発表した。また、ヨルダンから自国開発の装甲車が防衛省に寄付されたことも併せて発表している。
 今回61式戦車を無償貸付する運びとなったのは、2018年4月の河野外務大臣のヨルダン訪問時に、アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン・ヨルダン国王からヨルダン王立戦車博物館での展示のために、日本の古い戦車を供与してほしい旨の要請があったため。日本側では検討の結果、退役済みで、戦後初の国産戦車である61式戦車の無償貸付が決まったという。防衛装備庁は、「寄付ではなく、無償貸付としたのは、所有権を日本が有することができるため」と話す。
 無償貸付する61式戦車は、元々陸自滝ヶ原駐屯地で展示していた車両で、エンジンや車内機器等は外されている状態。この車両を、錆び取りや色直し等の外観手入れを行い、主砲に詰め物をする等の処置をした上で、ヨルダンに引き渡すことになった。
 61式戦車は、8月6日に横浜港で積込みを行い、9月上旬にヨルダン・アカバ港で荷揚げする予定となっている。なお、61式戦車のヨルダン王立戦車博物館での公開時期については未定とのこと。
 また、2018年12月にアブドッラー国王が日本を訪問した際に、習志野駐屯地の視察等で非常に感銘を受けたことから、自国開発の装甲車を日本に寄付する旨の申し出があった。このため、今年8月下旬にこの装甲車を防衛省が受領することとなった。この寄贈された装甲車は、横浜港で荷揚げ後に使用方法を検討するとのことで、防衛装備庁は「最終的にはどこかで展示となるのではないか」としている。

 

※写真=ヨルダン王立戦車博物館で展示することになった61式戦車。横浜港での船積みの様子(提供:防衛装備庁)

※写真=ヨルダンでの手続き等から、61式戦車の展示時期については未定とのこと(提供:防衛装備庁)