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2018.04.24

ウイングトラベル

ノックスクート、1年以内に複数都市就航視野

関空など有力、旅行会社経由の販売も強化

 ノックスクート(NCT)のギャン・ミン・トー副最高経営責任者(副CEO)は、6月に新規就航する成田−バンコク(ドンムアン)に続き「今後1年以内に1〜2カ所程度の就航地を追加していく」考えを明らかにした。就航空港の有力候補としては関西、中部、福岡の3空港を挙げたほか、小型機を使った地方路線の展開にも意欲を見せた。
 また、会見に同席した坪川成樹日本支社長は、日本での営業活動について「旅行会社経由での販売に力を入れていきたい」と述べるとともに、推奨GDSとして提携するインフィニ トラベル インフォメーションとともに、新たな販売システムの開発を進めていることを明らかにした。
 同社は4月20日付で日本の国土交通省から外国人国際航空運送事業の経営許可を受け、6月1日から成田−バンコク間をデイリー運航することを発表した。機材はボーイング777-200型機を使用。座席数は上級クラスの「スクートビズ」24席、エコノミークラス391席の計415席を用意する。
 ノックスクートはシンガポールのスクート(SCO)とタイのノックエア(NOK)による合弁会社だが、同社のサービス展開については基本的にはスクートのスタイルを採り入れるのが特徴。有料の機内食サービスやスクートビズの導入など、スクートに準拠したものを展開している。
 4月23日に行った成田−バンコク線就航発表記者会見で、トー副CEOは日本路線の展開については2014年の会社設立以来「照準を定めていたデスティネーションだった」と強調した。
 同社は当初2015年の就航を計画していたが、タイ航空当局が国際民間航空機関(ICAO)から安全上の懸念を指摘され、昨年10月まで日本を含め、ICAOの方針に準拠した国への新規就航認可ができない状態が続いていた。今回悲願だった日本路線の就航が実現し、トー副CEOは「特別な日を迎えることができた」と今回の発表を喜んだ。

 

 6月就航の成田線、搭乗率85%以上目指す
 公示運賃、エコノミー片道9800円から

 成田−バンコク線の公示運賃は、エコノミークラスで片道9800円から6万1900円、スクートビズで2万9800円から7万800円に設定した(諸税別)。これに加え、今回の就航を記念し4月23〜25日までの期間限定で諸費用込み9500円からの特別運賃を発売した。そうした戦略的な価格設定を展開することなどにより、新路線の平均搭乗率についてトー副CEOは「まずは85%がターゲットとなる」とコメントした。これに加えて坪川日本支社長は「(現在運航している)スクートの成田−バンコク線の搭乗率が94〜96%となっている。それだけにノックスクートについても十分90%台が狙えるはずだ」と自信を見せた。また、乗客構成としては「スクートでは日本発が40%、タイ発が53%となっている。特に日本人利用率は外航LCCの中では高い方なのではないかと思っている。ノックスクートの新路線では50:50を狙っていきたい」とした。
 今回NCTが就航する東京−バンコク線はタイ国際航空や日本航空、全日空といったFSC勢に加え、LCCもタイ・エアアジアXが成田線を運航しているなど激戦区の路線となっている。
 そうした状況となっている点についてトー副CEOは「それだけの航空便が就航しているということは、市場が大きく需要も強いということの表れだ」と指摘する。成田−バンコク間には同社の親会社であるスクートが現在バンコク経由のシンガポール線を運航しているが、ノックスクートが成田線を就航する6月以降もスクートの路線は引き続き運航が行われることになっており、グループとして1日2便体制が構築されることになる。その結果「グループとして、座席供給数が6〜7%プラスに触れることになり、十分に需要を獲得して行くことができると思っている」とトー副CEOは強調した。

 

※写真=就航記念運賃を発表する関係者。左から、タイ国政府観光庁のパッタラアノン東京事務所長、タイ王国大使館のチューチャーイ公使、ノックスクートのトー副最高経営責任者、坪川日本支社長

 

 

※写真=ノックスクートのギャン・ミン・トー副最高経営責任者

 

※写真=ノックスクートの坪川成樹日本支社長