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2022.10.25

ヨーロッパ観光委員会(ETC) 日本支部を開設

ツーリズムEXPOへの出展など、日本市場に注力

 

欧州連合(EU)地域の観光プロモーションを担うヨーロッパ観光委員会(ETC)は新たに日本支部を開設、日本での活動に力を入れている。9月22~25日に東京で開催される「ツーリズムEXPOジャパン」には、EU加盟7か国が参加する「EUROPE共同ブース」を出展。今後は日本マーケットに向けて、「多様性のあるヨーロッパ」を積極的に訴求していく考えだ。現在、日本支部の委員長を務めるVisit Finland日本支局代表兼フィンランド大使館商務部上席商務官の沼田晃一氏(写真)に話を伺った。

 

 

日本を含む長距離市場へ向けた共同プロモーション組織

 

 ETCは1948年に設立。ヨーロッパの各観光局の連合体として、ヨーロッパ以外の長距離市場へ向けたプロモーションを担う。当初はアメリカに支部を置き、その後カナダ、ラテンアメリカ(ブラジル)、アジア(中国、オーストラリア、日本)にも支部を設置。日本でも以前活動していたが、その後ストップ、2021年春に改めて活動を再開した形となる。
 ETCには、EU35か国/地域の観光局がメンバーになっており、このうち日本支局では12か国の観光局が会員となっている(ポルトガル、スペイン、フランス、モナコ、ドイツ、スイス、イタリア、ポーランド、チェコ、オーストリア、フィンランド、エストニア/順不同)。

 

オンラインでクリスマスイベント
ヨーロッパ各国の魅力を紹介

 

 コロナ禍で十分な活動ができないなか、ETCでは、昨年12月11日と12日にオンラインによるクリスマスイベントを開催。「ヨーロッパのクリスマス」と題し、初日は「クリスマスの食の愉しみ」、2日目は「クリスマスの伝統と習慣」をテーマに、9か国の観光局が各国のクリスマスの魅力を紹介した。また日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)が協力、BtoCイベントとして、2日間で延べ1000人以上が視聴した。

クリスマスオンラインイベントの様子

 

 

ツーリズムEXPOに出展
ETCの認知度アップに

 

 初となるツーリズムEXPOジャパンでの「EUROPE共同ブース」出展。出展に合わせ、ベルギーのブリュッセル本部からETCのマーケティング・マネージャーが来日する予定だ。沼田氏は「EXPOを通して、ETCの認知度を上げていきたい」と意気込みを見せる。 
 同ブースに出展するのは、ポルトガル、フランス、ドイツ、スイス、ポーランド、チェコ、フィンランドの7か国。またこれとは別に、スペインとイタリアが単独ブースで出展。フィンランドは単独でも出展、エストニアはラトビアとエストニアとバルト三国共同で出展する。ほかにもクロアチア、アイスランド、マルタ、キプロスの観光局もEXPOに参加する。  「EUROPE共同ブース」では、業界日には商談スペースとしてデスクを設置。一般日はデスクを置かず、スマートフォンを使ったクイズなど、各国政府観光局が趣向を凝らした一般参加型のイベントを用意するという。

 

BtoCキャンペーン実施 
Europe Invites the Curious” 

 

 秋にはヨーロッパへの旅行需要喚起を目的としたSNSを使ったBtoCキャンペーンを実施する予定。“Europe Invites the Curious”( 私の好奇心をくすぐるヨーロッパ)と題し、SNSでの投稿を募集。ヨーロッパの魅力の核となる「都市」「カルチャー」「食文化」にフォーカスした内容となる。

キャンペーンはSNSとヨーロッパ公式旅行情報サイト
visiteurope.com」で展開

 

旅行会社へのサポートも
「旅のイメージが膨らむヨーロッパ」に

 

 一方、引き続きJOTCと連携しながら、旅行会社へのサポートも強化していく意向。具体的には、旅行会社が主催する顧客向けの旅行説明会にETCとして参加することも検討する。沼田氏は「例えば、祭りやスパ、音楽など、共通のテーマで各国がプレゼンテーションできる。多様性のあるヨーロッパならではの強み」(沼田氏)と、意欲を示す。
 ヨーロッパについて、沼田氏は「ヨーロッパは、旅の想像力が膨らむ言葉。良いイメージを膨らませてもらえるようプロモーションをしていきたい」と語る。また旅行会社にとっては「利益率の高さ」も大きなポイント。さらに「JOTCや旅行会社からもヨーロッパに対する期待は大きく、それに応えていきたい」と、今後の抱負を語った。

 

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