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2025.08.18

WING

中国・ロシア艦艇が日本周辺海域で頻繁に活動

 ロシアはキロ級潜水艦確認、遊弋する艦艇も

 

 防衛省・自衛隊は8月12日、日本領海に接近して活発に活動する中国・ロシア海軍艦艇の行動について発表した。中国艦艇は主に九州や沖縄方面で、ロシア艦艇は北海道周辺での活動を確認した。
 ロシア艦艇の行動は、まず2日午前11時ごろに北海道奥尻島西沖約50キロの海域で、南方向へ進むロシア海軍ヴィシニャ級情報収集艦(艦番号208)を確認した。その後このロシア艦艇は、3日までの期間に奥尻島西の接続水域内から渡島大島南西の接続水域内を南へ進み、日本海で遊弋(ゆうよく)した。さらに9日から10日にかけて、津軽海峡を東へ進んで太平洋へ向かった。さらに14日から15日にかけて太平洋から津軽海峡を通過し、日本海へ向かった。この艦艇に対し、海上自衛隊では第45掃海隊(函館)の掃海艇「えのしま」および第2航空群(八戸)のP-3Cが警戒監視などを行い、14日から15日には横須賀警備隊(大湊)の多用途支援艦「すおう」および第2航空群のP-3Cが警戒監視を行った。
 12日午前6時ごろ礼文島北西沖約70キロの海域では、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇2隻(艦番号978・937)が東へ進み、宗谷海峡を通過した。このとき警戒監視などを行ったのは、第1ミサイル艇隊(余市)のミサイル艇「わかたか」だった。
 14日午前9時ごろには、対馬東沖約90キロの海域を南西方向へ進むキロ改級潜水艦、ステレグシチー級フリゲート(艦番号335)、バクラザン級救難えい船の計3隻を確認。その後、15日にかけて対馬海峡を通過して東シナ海へ向かった。警戒監視を行ったのは、第5護衛隊(佐世保)の護衛艦「あきづき」、第航空群(鹿屋)および第4航空群(厚木)のP-1哨戒機だった。
 中国艦艇については10日午前1時ごろに、宮古島北東沖約140キロの海域を中国海軍ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(艦番号156)が北西方向へ進んでいるのを確認し、その後沖縄本島と宮古島の間を通過して東シナ海へ向かった。また午前3時ごろには、宮古島北東沖約140キロの海域で北西へ進むジャンカイII級フリゲート(艦番号578)を確認しており、こちらも同様のルートで東シナ海へ向かった。この2隻は以前2日に沖縄本島と宮古島の間を南東へ進んでおり、今回引き返してきたかたちとなった。2隻に対して警戒監視・情報収集を行ったのは、海上自衛隊第13護衛隊(佐世保)の護衛艦「みくま」および第5航空群(那覇)のP-3C哨戒機だった。
 11日午前2時ごろには、鹿児島県種子島沖北東
約70キロの海域で、北西方向へ進むドンディアオ級情報収集艦(艦番号798)を確認した。その後中国艦艇は西に向けて大隅海峡を通過し、東シナ海へ向かった。この艦艇は5日に沖縄本島と宮古島の間を進んで太平洋へ向かったものと同一。海上自衛隊は「みくま」のほか、第1航空群(鹿屋)のP-1哨戒機が警戒監視などを行った。
 また8月8日には、中国ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦(艦番号134)およびフチ級補給艦(艦番号886)と、ロシアウダロイI級駆逐艦(艦番号564)の計3隻が宗谷海峡を東方向へ通過したことを確認した。連日中・露艦艇が活発に活動しており、防衛省・自衛隊では警戒感を強める。

※写真=14・15日に対馬海峡を通過した上からキロ改級潜水艦、ステレグシチー級フリゲート、バクラザン級救難えい船(提供:統合幕僚監部)

※写真=上からヴィシニャ級情報収集艦、タランタルIII級ミサイル護衛哨戒艇(提供:統合幕僚監部)

※写真=上からルーヤンIII級ミサイル駆逐艦、ジャンカイII級フリゲート、ドンディアオ級情報収集艦(提供:統合幕僚監部)