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2024.05.08

WING

航空各社GW実績、円安・物価高も国際線需要好調

 旅客数ベースで明暗、需給調整が影響

 航空会社各社は5月7日、一斉に今年のゴールデンウィーク(4月27日~5月6日)期間中の旅客輸送実績を発表した。今年は円安・物価高などの逆風が吹き、とりわけ国際線の旅客需要が懸念されたところだが、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行後初めてのゴールデンウィークということもあって、蓋をあけてみれば大手航空会社の国際線は全日本空輸(ANA)が前年比15.2%増、日本航空(JAL)も9.8%増となり、好調に推移した。その一方、国内線旅客数ではANAとJALで明暗が分かれた。ANAは前年同期比5.9%増加したものの、JALは座席供給量をわずかながら絞ったこともあって旅客数が前年割れとなった。
 スカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、そしてスターフライヤーといった中堅航空会社でも、旅客数実績ではそれぞれ明暗を分ける結果になった。このうちスカイマークの旅客数は前年同期を3.4%上回ったほか、スターフライヤーに至っては前年同期を17.5%も上回った。
 その一方でAIRDOの期間中の旅客数は4.2%減、ソラシドエアも1.1%減少した。AIRDOとソラシドエアはそれぞれ座席供給量を絞って需給調整を図っており、その結果が旅客数ベースで前年割れとなったかたちだ。その結果、搭乗率ベースでは期間中の各日程で高い搭乗率を叩き出した。
 LCC各社の実績を紐解くと、ピーチ・アビエーションは国際線ネットワーク便数の回復を推進した影響で、国内線の座席供給量が減少。これに伴って旅客数も7.2%減少した。その一方で同航空の国際線旅客数は75.6%もの急上昇がみられており、好調だった。
 また、ジェットスター・ジャパンの国内線旅客数も11.4%増、国際線も45.8%増と前年を大きく上回ったほか、スプリング・ジャパンは中国線の路線便数が回復傾向にあるため国際線旅客数は577.3%増、国内線旅客数も21%増加。JALグループ傘下の中長距離LCCであるZIPAIRに関しては、国際線旅客数が28%伸びた。

※この記事の概要
■ANAのGW、国内線6%増の119万人、国際線15%増の21万人
 円安懸念も国際線旅客1.2倍、ハワイは過去最多旅客数
■JAL、GW国際線旅客大きく増加、利用率75.6%
 規制続いた東アジア好調、ソウル利用率8割超   など