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2024.05.01

WING

航空自衛隊創立70周年記念式典が厳粛に挙行

海自ヘリ事故に哀悼の誠、宇宙の任務に意欲

 航空自衛隊は今年で創立70周年を迎えたことを記念し、4月25日に防衛省内で記念式典を行った。防衛力の抜本的強化に向けて宇宙分野にも活動領域を広げ、名称を「航空宇宙自衛隊」へ改編することがすでに決まっているものの、式典にお祝いムードはなく、これまでに殉職した437柱とともに、直近に発生した海上自衛隊SH-60Kの事故で命を落とした隊員へ哀悼の誠をささげるなど、厳粛に執り行われた。内倉浩昭航空幕僚長も式辞で、海自ヘリの事故によって命を落とした隊員家族へ「お悔やみ申し上げる」とし、行方不明隊員の「一刻も早い救助を祈っている」と述べた。
 内倉空幕長は式辞の中で、2020(令和2)年には宇宙領域専門部隊の立上げ、2023年からは宇宙領域監視の任務を開始したことを説明すると「米国および同志国、さらにはJAXAをはじめとする関係機関などと連携を強化している」と、多くの国や組織の協力によって成り立っていることを説明した。
 また任務が周辺情勢に対応するかたちで海外、さらには宇宙へと拡大していったとし、今後は「宇宙領域における作戦を航空作戦と並び立つ主要な任務と位置付ける」ことになり、名称が「航空宇宙自衛隊」へと改称する予定だと説明。「その名にふさわしい組織となれるよう、引き続き、空の守りと宇宙空間の安定利用に寄与する任務を実直に遂行していく」と述べた。
 さらに、空自として今後「目の前の試練を乗り越えれば明るい未来が待っているという“雲外蒼天”と、やるべきことを見失わず弛まず努力を続けるという“万里一空”の2つの言葉を胸に刻む」ことで、宇宙作戦能力を含む航空防衛力の造成を図るとし、その際にはハラスメントを一切許容しない組織文化を追及して、やりがいや帰属意識を感じられる組織づくりに取り組むこととした。

※写真1=式辞を述べる内倉空幕長

※この記事の概要
・災害対応を称える木原防衛大臣
 JAXA山川理事長「さらなる連携へ」
・ “大空とその先へ”宇宙領域へ拡大
 ロゴには新領域と装備の連携示す  など