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2024.04.30

WING

ANAHD23年度決算、国際線収入が初の国内線超え

各利益段階で過去最高更新、5期ぶりの復配も

 ANAホールディングスが4月26日に発表した2024年3月期決算によると、売上高が2兆559億円(前年同期比:3484億円増)と大幅な増収を確保。本業の儲けを表す営業利益は2079億円(同:878億円増)と、過去最高を大幅に更新した。なかでも航空事業の国際線旅客収入は旺盛な訪日需要が牽引し、初めて国内線旅客収入を上回った。
 同日、記者会見に臨んだANAホールディングスの芝田浩二社長は「2023年度は中期経営戦略の1年目だが、業績予想を上回り、大変良い結果となった」と振り返りつつ、「とくに国際線旅客が過去最高の収入となり、国内旅客を初めて上回り、最大の収入源となった」と説明した。
 前述したように売上高は2兆559億円と大幅な増収となった一方、営業費用は運航規模に連動する費用を中心に増加したものの、従来から深掘りしているコストマネージメントを追求したことで固定費の増加を抑制することに成功し、前年同期2605億円の増加した1兆8480億円に抑えた。この結果、営業利益が878億円増加した2079億円、 経常利益は958億円増の2076億円、親会社株主に帰属する当期純利益は676億円増の1570億円となり、各利益段階でいずれも過去最高を更新した。
 なお、計画を上回る利益を叩き出したことから、配当金に関しては、前回予想で1株30円配当としていたところ、1株当たり50円に増額することを決定した。ちなみに、5期ぶりの復配となる。

※この記事の概要
・国際線、訪日・乗継取り込みで収入68%増
 国内線はビジネス回復遅れもレジャー好調
・国際貨物、コロナ特需反動で収入5割減
・ピーチ、国際線伸長で収入53%増の1380億円
・手元流動性拡大、総資産は3兆5695億円

 自己資本比率、3.6ポ増の29.3%に改善
・25年3月期、売上高過去最高の2兆1900億円予想

 費用拡大で減益予想もコロナ前最高益水準はキープ など