記事検索はこちらで→
2024.04.25

WING

チュラロンコン大、Sセレビシエ酵母の分離に成功

 SAF生産の高い潜在力に期待も

 

 タイのチュラロンコン大学(Chulalongkorn University)は、将来増大するエネルギー需要を支える脂肪蓄積と持続可能な航空燃料(SAF)生産用として高い潜在力を有するサッカロマイセス・セレビシエ酵母(CU-TPD4株)の分離に成功したことを発表した。同大理学部植物学科教授のWarawut Chulalaksananukul博士と助教のChompunuch Glinwong博士が主導する研究プロジェクト「バイオジェット燃料合成用の微生物脂質生産のスケールアップ技術開発」を通じて成功した。
 研究チームは「サッカロマイセス・セレビシエは、『一般に安全であると認められる(GRAS)』微生物に分類され、食品産業で長年、使用されてきた。しかし、脂肪の工業生産に使われたことはない」ことに触れつつ、「バイオ燃料生産の原料として油性酵母を使用することには、油脂源として植物を使用することに比べ、いくつかの利点がある」と説明。「酵母はライフサイクルが短く、さまざまな食品で培養でき、安価で労力もほとんどかからない。いつでも培養でき、生産拡大も簡単。人体にも環境にも安全」であることを強調した。

 

※画像=Sセレビシエ酵母の分離に成功したチュラロンコン大。SAFの原料として期待も(提供:チュラロンコン大学)

お試し価格で全文公開中