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2024.04.15

WING

三菱重工航空エンジン、長崎2期棟が竣工

建屋面積が倍増、「世界の燃焼器センター」に

 三菱重工航空エンジン(MHIAEL)は4月11日、三菱重工業長崎造船所(長崎市飽の浦町)の敷地内において、航空エンジン部品の製造を手掛ける長崎工場の2期棟を竣工したことを発表した。2期計画は2022年4月に正式決定しており、建物・設備合計で約100億円を投じて2期棟を整備するとしていた。
 エアバスのベストセラー機であるA320neoに搭載するエンジン「PW1100G-JM」向け燃焼器を製造する同工場の1期棟は、去る2020年11月の稼働開始後から段階的に生産規模を拡大してきた。今回竣工した2期棟は、1期棟の北側および東側に隣接して建設されており、北側エリアに約70メートル×約25メートル、そして東側エリアにも約100メートル×約40メートル拡張。工場建屋を1期棟の約5400平米から約2倍の1万1000平米にまで拡張した。
 2期棟には燃焼器ケースの機械加工ラインを増設するほか、燃焼器に設置する耐熱パネルの耐熱性を向上する特殊工程を設置する。この2期棟整備によって、これまで海外メーカーに委託していた一部の製造工程を取り込み、燃焼器の完全一貫生産を実現しつつ、生産設備を増強して今後の大幅な増産に備える計画だ。さらに航空機製造用の量産機としては日本初となる遮熱コーティング設備を導入するなど、生産能力の拡充と合わせて、製造技術力の差別化とコスト競争力の強化を図るとしている。