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2023.10.27

WING

海自、ACSA基づく物品提供の未決済が110件

 会計検査院調べ、1億3507億円が1年以上決済されず

 会計検査院は10月25日、海上幕僚幹部に対して、米軍など物品役務相互提供協定(ACSA)で提供した物品に係る決済が決済期限内に完了していない取引が、計110件、金額にして1億3507万円に確認されたとして、速やかに決済を完了するよう、是正改善を要求した。
 また、決済期限内に決済が行えない取引が長期間にわたり継続的に生じている状況を解消するため、必要な取組の方針等を検討・措置を講じることを求めたほか、ACSAに基づく提供を実施した分任物品管理官及び役務提供部隊等の長に対して、歳入徴収官に債権発生通知書を送付することを周知徹底するなど、是正するよう求めた。
 日本はアメリカ、英国、オーストラリア、フランス、カナダ、そしてインドの6カ国との間で、それぞれACSAを締結しており、各国の軍隊への物品または役務の提供の取引及び各国の軍隊からの物品又は役務の受領の取引を行っている。
 このACSAによれば、相互提供の適用範囲は、共同訓練をはじめ、人道的な国際救援活動、災害派遣活動などであり、対象となる物品または役務は、食料、水、宿泊、輸送、燃料・油脂・潤滑油などが対象だ。
 その相互提供に係る決済の方法は、物品については当該物品の返還もしくは同種・同等及び同量の物品の返還のほか、通貨による償還、役務については通貨による償還または同種かつ同等の価値を有する役務の提供によって行うことが可能と定められている。さらに、決済に関しては、物品または役務の引渡しの日から12カ月以内に完了することになっている。

※この記事の概要
・米軍への燃料提供で53件分が未決済 など