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2023.08.29

WING

第1術科学校岩城校長、基礎マナーが整備員の矜持

 パイロットとの信頼関係が決める任務の成否

 第1術科学校は、航空機をはじめとした各種装備品や、警戒管制レーダも含め、航空自衛隊のあらゆるものの整備を教育する学校だ。整備員はすべからくこの第1術科学校を経て整備員としての基礎を学び、各基地へ送り出されて装備品の安全な運用に寄与することになる。学校長の岩城公隆空将補は、整備士にとって必要な能力として、技術よりも何よりも、自衛隊員として、社会人としての基礎的な礼儀や人間性を挙げた。そこには、普段から異変に気付くためにも常に整理整頓が必要であるとともに、人間的な信頼関係が業務には欠かせないのだという。整備の本懐とは何かを岩城校長に尋ねる。
 岩城校長は整備員にとって大事なことについて、技術力を持つ人は確かに良い整備員だとした上で、「やはりその前にベーシックマナーといわれるような、航空自衛隊の隊員としての基本的なことが身に付いていること、まずそれが大前提だ」と説明した。ベーシックマナーというのは、基礎的なこと。例えば服装などの身だしなみが整っているか、さらには整備作業現場の整理整頓を行っているか、清掃が十分に行き届いているか、など。自衛隊員として、社会人として必要なマナーを指すという。
 航空機整備を例に言えば、航空機を置く格納庫で油漏れの有無など、機体の不調部分をすぐに発見できるか否かは清掃が行き届いているからこそすぐに分かる。普段から清掃ができていなければ、そもそも不具合を発見することができなくなってしまう。そうした気付きをはじめ、整備員としての能力はベーシックな部分が多くを占めるため、やはり一般的な常識が身に付いていることが、良き整備員としての大前提だとした。そのためこの第1術科学校では、特に若く、今後航空自衛隊の整備員として「キャリアがスタートする最初の段階で、ベーシックマナーについて十分に教育しなくてはいけない」との思いを述べた。

※この記事の概要
・信頼は整備員の生命線
 ベーシックマナーが関係醸成
・抜本的な防衛力強化へ期待と課題
 効率的な教育の推進必要
・人増えずも装備品は増加
 後方でも領域横断検討すべき   など

※写真1=第1術科学校長の岩城公隆空将補