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2023.08.23

WING

防衛省、ハラスメント相談で機能不十分の可能性

 特別監査の申出者6割が窓口利用せず、対応に不信感

 防衛省・自衛隊は、組織内でのハラスメント根絶に向けた取組みのうち特別防衛監察の結果を示し、ハラスメント相談対応の申出があった1414件のうち6割以上が相談員・相談窓口を利用しておらず、相談を行った人の多数が相談した上司あるいは相談員・窓口に不満を抱えており、相談制度が役割および機能を十分に果たせていない可能性があることを指摘した。
 特別監察の報告書では、申出のあった案件について相談員・相談窓口に相談したことがないと回答した人が、全体の64.2%を占める850件だったとし、そのほか相談したことがあると答えた人が400件で30.2%を占めた。また相談したことがある人のうち、相談相手がメンタルヘルス相談の担当者であった人は83件の6.3%程度となった。
 さらに850件の相談しなかった理由について、最も多かったのが相談しても改善が期待できないと答えたのが23%で、相談員や窓口があることに思いが至らなかったと答えたのが15.9%、そのほか相談しづらい、相談できる雰囲気・環境ではないという回答が12.7%、加害者からの不利益や報復を懸念したのが10.7%、相談という発想がなかったのが9.5%、相談員や窓口が信用できないというのが8.7%となった。

※この記事の概要
・厳正な対処を明確化、4項目の改善策 
有識者会議では機関長など責務への自覚不足 など