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2023.06.07

WING

防衛省、スタンド・オフ事業の4契約で3147億円

 スクラムジェット試作、能力向上滑空弾開発へ

 防衛省は6月6日、防衛力整備計画で示した スタンド・オフ防衛能力の強化に向けた事業の進捗について発表した。このほど着手した事業は、極超の音速誘導弾の研究、島嶼防衛用高速滑空弾(能力向上型)の開発、目標観測弾の開発、島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術の研究の4案件。契約額は4案件の合計で約3147億円に上るとした。
 このほど開始した事業のうち、極超音速誘導弾の研究は4月27日に三菱重工業と約584億円で契約を結んだ。この契約は2026(令和8)年度までとなっており、この研究の中核の技術となるスクラムジェットエンジンの試作品製造まで行う予定としている。スクラムジェットは大気圏内を飛翔するための空気吸い込み式エンジン。超音速空気流に燃料を噴射して燃焼させ、極超音速を発揮する。今のところ予定している研究の実施期間は2031(令和13)年度までで、最終的にはシステム全体の開発を目指して、研究終了後は早期に量産へ移る予定としている。