NAA田村社長、新たな成田の姿より鮮明に

　検討会中間取りまとめ、社内で具体化検討

　田村明比古社長は3月30日に開いた定例会見で、成田空港の新たなターミナル整備の方向性などを検討してきた「新しい成田空港」構想検討会の中間取りまとめを発表した。改めて整備施設の将来配置イメージ図が示されたほか、旅客ターミナルの段階的整備の一例や、室内のイメージが図によって示された。
　これまで同検討会では新旅客ターミナルの整備場所について、現第2旅客ターミナル南側を一例として示してきたが、図によって配置イメージを示した。整備の一例は、既存ターミナルを運用しながら建設を進めるとして、C滑走路整備を含むさらなる機能強化が完了すると、フェーズ1として2タミの南側に施設の一部を建設する。このとき2・3タミと接続して簡易的にワンターミナルを実現させるとともに、1タミを閉鎖する。そしてフェーズ2では、新施設を全て建設してワンターミナルを完全なかたちとし、2・3タミを閉鎖して旅客ターミナルを完成させる考えだ。
　田村社長は2タミ南側を有力候補地とした理由について、3本の滑走路のいずれからもアプローチしやすい位置であるためだとした。C滑走路が完成すると、B滑走路とC滑走路はあたかも1つの滑走路のように運用されるようになる。風向きが北側から吹けばBが離陸専用、Cが着陸専用になり、逆に南風時にはBが着陸専用、Cが離陸専用となる。そのため新ターミナルは「どの滑走路からも比較的近い場所に置くことで、航空機の運航にとってメリットが高い」と改めて説明した。

※この記事の概要
　貨物施設やアクセスで地元などと連携強化
　共生共栄の精神で空港外へ踏み込んだ提案

※画像＝新しいターミナルのイメージ（提供:NAA）