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2023.03.31

WING

内倉空幕長、3つの“C”で航空・宇宙抜本的強化

 新時代の航空宇宙自衛隊見据え、おそれず変革

 防衛省で3月30日に各幕僚監部の離着任式が行われ、このほど航空幕僚長に就任した内倉浩昭空将が着任の辞として、航空幕僚監部ならびに航空自衛隊員に対して3つの“C”を要望した。1つ目のCは能力を意味する「Capability(ケイパビリティ)」、2つ目が繋ぐを意味する「Connectivity(コネクティビティ)」、そして3つ目が挑戦を意味する「Challenge(チャレンジ)」だ。昨今の安全保障環境を踏まえ、航空・宇宙に関する防衛力の抜本的な強化を「よりスピード感をもって具現化しなければいけない」と述べた。さらに日米同盟はもちろん「同志国との連携強化を一層推し進めていくことが急務」として職務に取り組むよう求めた。
 内倉空将は、ケイパビリティを求めた理由について、与えられた役割を果たすために必要な「隊員個々の能力、部隊の能力をもう一段レベルアップすることを強く求める」とし、そのためにも、具体的な目標を設定して、その具体的な努力を積み重ねていくことが必要だとした。
 コネクティビティの意味は、空自部隊だけでなく、各幕僚監部をはじめとした関係機関、陸・海自衛隊、さらには米軍や同志国軍隊が対象であり、単にシステムやネットワークをつなぐだけでなく「心と心をつなぐことが、領域横断作戦のような高いレベルでの連携の礎となる」と説明した。また基地や分屯基地が所在する地域とも心でつながり、揺るぎないものに発展させることが重要だとした。
 最後のチャレンジは、最近の新たな活動にかかる取組み。航空自衛隊では近年、新規装備品の導入を推進するとともに、活動範囲を宇宙領域にも広げてきた。そのためにも「航空宇宙自衛隊という新たな時代の目標を見据える」挑戦が重要だとした。井筒俊司前空幕長は進化・深化・真価の意味を持つ“シンカ”を推進してきた。その中でも示されている、従来の考え方や慣習にとらわれないことが特に重要だとし、それを継承するかたちで「変える勇気を持ってチャレンジしてもらいたい」と述べた。

※写真=内倉空幕長。写真は航空総隊司令官時代にWINGのインタビューに応じたときのもの