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2021.07.13

WING

リチャード米戦略軍司令官、防衛省を表敬訪問

日米同盟の実行力ある抑止力・対処力の更なる向上図る

 

  防衛省では7月12日、米戦略軍司令官のチャールズ・A・リチャード海軍大将が岸信夫防衛大臣や山崎幸二統合幕僚長への表敬のため、防衛省を訪問した。ちなみに、リチャード司令官は2019年11月に現職に着任しているものの、コロナ禍により今回が初の外遊かつ初の訪問国となっている。
 リチャード司令官と岸防衛大臣との会談では冒頭、岸防衛大臣からリチャード司令官の訪問を歓迎する旨を述べ、「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している中、更に強固な日米同盟が不可欠。とりわけ、米戦略軍の任務である核抑止やミサイル防衛での作戦に関しては日本として極めて重視している」とコメント。そして、「米国は核と通常戦力双方を含むあらゆる米国の軍事力を使って日本の平和と安全にコミットしていることに感謝している。米戦略軍との連携を強化しつつ、同盟の抑止力・対処力を更に強化していきたいと考えている」と語った。
 リチャード司令官は歓迎に対する感謝を述べた上で、「戦略軍・米国政府は、日米同盟を地域そして世界の平和と安定の礎と捉えている。戦略軍は拡大抑止を提供するとともに保証する存在であり、日々真剣に取り組んでいる。今日は、これまで以上に日米が直面している、若しくは直面することになる状況について一歩踏み込んだ話を行いたい」と語った。
 また、栄誉礼・儀仗の後に行われた山崎統幕長との会談には、吉田圭秀陸上幕僚長、山村浩海上幕僚長、井筒俊司航空幕僚長らも同席。冒頭、山崎統幕長から今回の訪問を歓迎し、「着任後、初の海外訪問先に日本を選んでくれたことを心から感謝申し上げる」と述べた。そして、「日米同盟は日本を含むインド太平洋地域、また世界の平和と安定、繁栄の礎」と述べ、「先般の日米2+2を踏まえて、さらに強固な日米同盟を築いていきたい」と述べた。また、「米国は日本に対し拡大抑止を提供いただいていることや、戦略軍の力強いコミットメントについて、心強く思っている」、「日本にとって戦略軍の存在は非常に重要。日本の防衛のみならず、地域の平和と安定、世界の平和と安定のために、更なる日米同盟の実行力ある抑止力・対処力向上を図っていきたい」と語った。
 リチャード司令官は今回の訪問歓迎に対し感謝すると述べた上で、「我々も同様に日米関係というものが地域のみならず世界の平和と安定の礎であると考えている。今日は様々なことについて、特に日米同盟を維持していくことや、地域が直面している事態について、話し合えることを楽しみにしている」とし、戦略軍が拡大抑止にコミットしていることや戦略軍隷下部隊が即応体制を整えていることなどについて話したいと語った。統幕によれば、この後両者は地域の安全保障環境や我が国周辺の情勢について認識の共有を図るとともに、日米同盟による効果的な抑止力の維持・強化について意見交換を実施。また、域内における一方的な現状変更の試みや核や弾道ミサイルなどによる脅威に対し、地域の平和と安定のために強固な日米同盟の下で必要な抑止力・対処力を強化していくことで一致したとしている。

 

※写真=リチャード米戦略軍司令官が防衛省を訪問し、岸防衛大臣や山崎統幕長を表敬した