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2021.03.19

ウイングトラベル

★日本旅行、小谷野次期社長が抜本的構造改革

 堀坂社長「道半ばだが、世代交代進める」

 日本旅行は3月18日の臨時取締役会で堀坂明弘代表取締役社長の退任と小谷野悦光(こやの・よしてる)代表取締役副社長の社長昇格を決定し、3月26日の定時株主総会、取締役会を経て正式に就任する。堀坂社長は「特別顧問」に就任する。同時に、同社は2020年にスタートした6カ年の中期経営計画「TRANSFORM 2025」をコロナ禍の影響で見直すことを発表した。記者会見した堀坂社長は「抜本的な構造改革と体制強化が急務で、それを成し遂げるためには世代交代を早期に進め、新しい社長のもとでスピード感を持って実行していく。道半ば、忸怩たる思いもあるが、社長交代を決めた」と述べ、小谷野次期社長に後を託し、任期半ばの4年9カ月で退任する。
 3月26日付で社長に就任する小谷野副社長は、「コロナ禍の中で、生き残りをかけて舵取りを行うことで、その責任の重さを痛感しているが、覚悟を持って取り組む。コロナ禍で旅行業が成立しない状況に直面しており、今年、来年に抜本的構造改革が成し遂げられるかどうかで、その先の飛躍が決まる。スピード感を持って社員一同と力を結集して抜本的構造改革を成し遂げたい。旅行業がなくても生き残れる形をつくりたい」と決意表明した。

 

※写真=社長交代でグータッチする堀坂明弘社長(左)と小谷野悦光次期社長

 

 中期計画、JRセットプランのウェブ販売拡大
 非旅行を含めアライアンスパートナー拡大

 日本旅行は昨年1月にスタートした6カ年の「TRANSFORM 2025」中期経営計画を、コロナ禍の影響で全面的に見直す。2021〜22年度の2カ年を構造改革期、2023〜25年度の3カ年を発展成長期と位置付け、事業構造・ビジネスモデルの変革と運営体制・コスト構造の見直しで、ウィズコロナでの生き残りとアフターコロナの持続的成長に取り組む。

 

 2年で100億円削減、90店舗に縮小、要員3割減
 海外添乗員付き欧州特化、ウェブDPを加速

※日本旅行中期経営計画見直しの全体像(日本旅行会見資料から)

 

★日本旅行通期決算、最終損失128億円
 国内Go Toが貢献、コロナ禍も現預金確保

 日本旅行は、2020年度(1-12月)通期連結決算を発表した。コロナ禍の影響で、営業収益は前年同期比56.7%減の237億800万円、営業損失116億2100万円、経常損失93億6200万円、最終損失127億9100万円を計上した。
 流動資産は917億5500万円から875億3700万円と42億円の減少に留めた。株主資本合計は135億8100万円から65億円減少したものの、債務超過はなく、70億1600万円を確保した。堀坂氏は、コロナ禍の厳しい経営環境下にあって、「手元のキャッシュは確保できており、しかも親会社に寄与した」と2020年度決算を総括した。