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2021.01.25

WING

国内航空機生産10月、前年比37%減の894億円

再び1000億円の大台割れ、民間向け生産額急落で

 日本国内の昨年10月の航空機生産額(機体・エンジン・その他機器の製造・修理合計)が、対前年同月比37%減少した894億600万円に留まったことが明らかになった。2019年10月の航空機生産額は1403億2600万円だった。ちなみに前月の昨年9月の生産額は、2019年9月比14%減少した1505億7700万円と、今年6月以降、3ヵ月ぶりに1000億円の大台を超えていた。しかしながら、10月実績では再び大きく1000億円の大台を割り込んでしまったかたちだ。
 新型コロナ危機が長引くなか、世界の航空機産業は未曾有の危機に襲われている。ボーイング、エアバスともに各旅客機プログラムの生産レートを大幅に落としており、世界各地のサプライヤーは悲鳴をあげている。ボーイングと密接な関係を有する日本の航空機産業も民間航空機関連の事業が大幅に縮小しており、大手重工はもちろん、その傘下の中小サプライヤも大打撃を被っている様相だ。日本航空宇宙工業会(SJAC)によれば、中小サプライヤーの約90%が、コロナ禍前の前年比30%以上の売上減に見舞われるという緊急事態だ。・・・

 

修理生産額、4%減の約107億円に
防衛向け18%増も民間向け53%縮小

 

■1-10月累計は前年比約21%減少
4-10月の年度ベースでは34%減に

 

※グラフ=新型コロナで国内航空機生産実績が大打撃(グラフ単位は百万円)

※写真=想像以上に長引くコロナに航空機産業は青息吐息。ワクチン接種などで旅客需要が戻っても機体・エンジンなど航空機製造への影響はさらに長引く