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2021.01.13

ウイングトラベル

★2020年の旅行業倒産、過去20年で2番目の低水準

 コロナ禍も経営支援策が底支え、Go To後押し

 東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2020年(1-12月)の「旅行業の倒産動向」調査によると、コロナ禍の未曾有の危機ながらも、旅行業の倒産件数は前年比1件増の26件にとどまり、過去20年間で2番目の低水準となった。前年の2019年は過去20年で最少の25件で、ほぼそれと同水準で推移した格好だ。ただ、2020年の旅行業の倒産26件のうち、新型コロナウイルスが原因の倒産は7件と、全体の約3割を占めた。

 

※グラフ=旅行業の倒産の年推移(TSRの「旅行業の倒産動向」より)

 

 負債総額は平成以降で最大の約300億円に
 ホワイトベアの278億円が押上げ、小規模倒産中心

 2020年の旅行業の倒産件数は26件(前年比4.0%増)、負債総額は299億7200万円(2009.2%増)と大幅に増加した。これは、6月に民事再生法の適用を申請した(株)ホワイト・ベアーファミリー(大阪、負債278億円)が全体の負債額を押し上げたもので、旅行業としては平成以降で最大の負債額となった。

 

※表=2020年の主な旅行業の倒産(TSRの「旅行業の倒産動向」より)

 

■2020年の宿泊業の倒産、7年ぶりに100件台に
 コロナ関連倒産が約半数、訪日消失も直撃

 一方で、TSRがまとめた2020年の「宿泊業の倒産動向」調査によると、宿泊業の倒産は前年比1.5倍増の118件と急増し、2013年以来7年ぶりに100件の大台に達した。このうち新型コロナウイルスを要因とした倒産は55件(構成比46.6%)で、全体のほぼ半数を占めた。コロナ関連倒産件数がトップの飲食業でもそのシェアは16.3%に留まるほか、アパレル関連でも16.0%となっており、宿泊業へのコロナの影響の大きさが伺える。

 

※表=2020年の主な宿泊業の倒産(TSRの「宿泊業の倒産動向」より)