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2021.01.13

WING

レイセオン、アンモニア利用の航空推進システム開発

アンモニアを水素と窒素に分解・燃焼

 レイセオン・テクノロジーズでは、アンモニアを使ったターボ・エレクトリック航空推進システムの開発を行っている。
 これはレイセオン・テクノロジーズの研究センターが、米国エネルギー省・エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)からの260万ドルの研究助成を受けて進めているもので、熱伝導と熱吸収に優れたアンモニアを燃料と冷却剤として用いている。1滴あたりのエネルギー効率に優れるほか、ジェット燃料よりも引火性が低いため安全性が高く、炭化水素燃料などの様に燃焼時に残留物を形成しないためにエンジン内を汚さず、エンジン内の熱を吸収することが出来るという。またレイセオン・テクノロジーズは最大の特徴として、ほかの代替燃料と違い二酸化炭素(CO2)を全く排出しないことを挙げている。
 このアンモニア利用したターボ・エレクトリック航空推進システムの仕組みは次の様になる。航空機の主翼内などに設置した燃料(アンモニア)タンクに液体として貯蔵したアンモニアをポンプで熱交換器に圧送する。気体に暖められたアンモニアは触媒分解装置でさらに暖められて水素と窒素に分解し、エンジンの燃焼室で燃焼することで、推進力を得るという。・・・

 

画像=レイセオンが開発中のアンモニア利用のターボ・エレクトリック航空推進システムの概要(提供:レイセオン・テクノロジーズ)