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2020.08.26

WING

国内航空機生産額、4月以降に急降下

3月2248億円→4月は68%減の723億円に急落

 

 日本国内の航空機生産額が今年4月以降、目に見えて急激に落ち込んでいる。今年4月の航空機生産実績は製造(機体・エンジン・その他機器関連)、修理(機体・エンジン)合計で723億1400万円に。今年3月の航空機生産額は2248億400万円あって、4月に入って約68%もの急降下を記録したことが分かる。ちなみに5月の生産額は更に落ち込んだ600億6000万円にまで縮小してしまっており、もはや危機的レベルだ。
 経済産業省が公表している生産動態統計月報をまとめている日本航空宇宙工業会(SJAC)によれば、「3月までは順調だったが、4月からずるずると下がっていった」としており、この急激な落ち込みは新型コロナウイルスのパンデミックが影響したとの認識を示した。
 新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、ボーイング、エアバスといった欧米大手機体メーカーが生産量を大幅に落としており、大手機体メーカーのサプライヤーである日本の航空機産業にも、深刻な打撃をもたらしている様相だ。国内重工各社は生産調整を行なって、低迷した需要への対応を図っているが、大手重工のサプライヤーである中小企業などは一層深刻なダメージを被っていることが垣間見える。

 

※写真=ボーイングの大幅な減産は痛い。とくに787型機はコロナ危機以前には月産14機を生産していたが、来年は月産6機まで落ち込む見通し。写真はチャールストン工場の787組立ライン